研究課題/領域番号 |
05269212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
町田 泰則 名古屋大学, 理学部, 教授 (80175596)
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研究分担者 |
宇佐美 昭二 名古屋大学, 理学部, 助手 (80242816)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | タバコNPK1プロテインキナーゼ / プロテインキナーゼ / BCK1 / MEKK / MAPK |
研究概要 |
タバコから,酵母のプロテインキナーゼSTE11,Byr2,BCK1の一次構造と45%前後の類似性を示すタンパク質をコードしうるcDNAをクローニングした。このcDNAに対応する遺伝子をNPK1と名付けた。その後、NPK1の触媒領域のアミノ酸配列はマウスのMEKKのそれとは45%同一であることがわかった。NPK1cDNAは出芽酵母bck1変異を相補した。出芽酵母は、PKC1(PKCホモログ)→BCK1→MKK1/2(MAPKK/MEKホモログ)→MPK1(MAPK/ERKホモログ)と言うシグナル伝達経路を保持していることが知られている。NPK1の存在は、同様の経路が高等植物にもあることを示している。本年度は以下の3点を明らかにした。(1)高等植物の地上部には、その先端部に未分化な分裂組織があり、そこを起点として垂直軸にそって未熟な葉から成熟した葉が並んでいる。これらの生長・分化段階の異なる葉におけるNPK1遺伝子の転写を調べたところ、10cm以下の未熟葉では、NPK1mRNAが検出されたが、それ以上の大きさの葉では検出されなかった。同様なmRNAの分布は、タバコのCdc2ホモログのmRNAでも見られた。この結果は、NPK1が植物細胞の増殖に何等かの役割を果たしているという考え方を支持するものである。(2)NPK1の一部のペプチドに対する抗体を作製した。それを用いたタバコ培養細胞のタンパク質抽出液を免疫沈澱した複合体の中には、自己リン酸化活性のあるタンパク質があり、その分子量はNPK1の推定分子量と一致した。したがって、NPK1には実際にプロテインキナーゼの活性があると考えられる。(3)NPK1cDNAを用いてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のゲノムからホモログをクローニングし塩基配列を調べたところ、この植物には少なくとも4コピーのNPK1ホモログが存在することがわかった。
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