研究課題/領域番号 |
05269222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
西沢 正文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20218150)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞周期 / サイクリン / プロテインキナーゼ / 転写制御 / タンパク質リン酸化 |
研究概要 |
1.pho85変異とGAL、SUC遺伝子の発現の関係を調べた結果、GAL2、GAL7、GAL10、SUC2の発現は野生型と比べ差がなかった。ガラクトース資化能はPHO4遺伝子の欠失によって回復すること、SUC2遺伝子の上流域からグルコース抑制に関わるSKO1/ACR1結合部位を欠失させた遺伝子の発現はpho85変異により活性化されることなどから、PHO85キナーゼはPHO4を介してグルコースによる遺伝子発現の制御に関わっている可能性が考えられる。 2.PHO85キナーゼを大腸菌に生産させ精製した。一方、GST-PHO85を発現している酵母細胞から粗抽出液を調製し試験管内でキナーゼ活性を測定したところ、PHO80過剰発現によりPHO85キナーゼ活性が著しく促進されることを見いだした。 PHO85キナーゼのPSTAIR配列の変異体およびCDC28キナーゼの活性リン酸化部位に相当するF165S166の変異体の解析の結果、(1)E53AあるいはK58A変異はPHO85キナーゼの機能を失わせ、特にE53A変異はdominant negativeに機能した、(2)CDC28型のPSTAIR配列を持たせた変異体は多コピーでpho85変異を相補できるが細胞の生育を遅くさせた。この生育遅延はCLN3やCLB1の過剰発現により抑圧された。(3)cdc28変異株に(2)の変異体を導入すると制限温度の低下、生育の遅延がみられた。(4)Y165T166(CDC28型)、FT、FAのいずれの変異体もpho85変異を相補できたが、FA変異体は過剰発現により生育遅延を示した。以上より、PSTAIR配列はPHO85キナーゼの機能に重要であり、PHO85キナーゼはCDC28キナーゼと異なる制御サブユニットを持つが、おそらくその一部は共有(あるいは交換可能)していると考えられる。
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