研究課題/領域番号 |
05272203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
河野 陽一 千葉大学, 医学部, 助教授 (60161882)
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研究分担者 |
下条 直樹 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (40221303)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 食物アレルギー / オボアルブミン / T細胞株 / エピトープ / HLA拘束分子 / インターロイキン4 / インターロイキン5 / インターフェロン-γ |
研究概要 |
食物アレルギーの発症におけるT細胞の役割を明らかにする目的で、卵アレルギーの主要アレルゲンであるovalbumin(OVA)に特異的なT細胞株を樹立し、これらT細胞株の認識するOVAのエピトープ、HLA拘束分子およびOVA刺激によるサイトカイン産生能を解析した。この研究により以下の結果を得た。1)卵白に対するRASTスコアが2以上の卵アレルギー患者5名から計29株のOVA特異的T細胞株を樹立した。2)これらT細胞株のOVA認識におけるHLA拘束分子について検索したところ、HLA-DR分子が主要な拘束分子であることが示唆された。3)今回樹立したOVA特異的T細胞株のうちE002株についてさらに解析を行なった。E002株は、抗HLA抗体によるOVAに対する芽球化反応阻害試験より、HLA-DR拘束性であることが示された。そこで、患者のHLA-DR抗原をtransfectしたマウス線維芽細胞を抗原提示細胞として用いた芽球化反応を行い、E002株のOVA認識に関わるHLA分子はHLA-DR10であることが決定された。4)E002株が認識するOVA抗原決定基を明らかにするために、4つのOVA部分合成ペプチドを作製した。OVAならびにOVA部分合成ペプチドに対する芽球化反応の結果から、E002株が認識するOVA抗原決定基がOVA323-339ペプチド上に存在することが判明した。5)E002株がOVA刺激により培養上清中に産生するサイトカインを測定したところ、IL-2、IL-4、IFN-γは産生しなかったがIL-5を多量に産生していた。IL-5は好酸球を活性化することより、OVA323-339を認識するT細胞は食物アレルギーの発症において重要な役割を担っていることが示唆された。以上のように、卵アレルギーに関わるOVA抗原決定基の一部とHLA拘束分子が、本研究により明らかとなった。
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