研究課題/領域番号 |
05273201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 雅之 東北大学, 医学部, 講師 (50166823)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | GATA転写因子 / 転写制御 / 遺伝子 / 細胞分化 |
研究概要 |
本研究の目的は、動物各組織・細胞におけるGATA転写因子群の発現の様子を検討して、GATA転写因子の機能を理解すること、また、GATA因子の遺伝子構造を検討し、その発現に対して行なわれている調節機序を解明することにある。この目的を達成するために、本研究では1)GATA-1因子の血球系および精巣における分化段階特異的な発現の解析、及び2)各種のGATA因子をコードする遺伝子のクローン化と構造解析を実施した。前者に関して、数種のGATA因子に対する単クローン性抗体を作成することに成功したので、これらの抗体を用いて種々の発達段階の血球系および精巣細胞におけるGATA因子発現の様子を検討した。マウスGATA-1因子に特異的なN6抗体を用いて実施した免疫組織染色では、マウス脾臓および骨髄で赤芽球と思われる細胞の他に、特に巨核球核が陽性に染色されていた。また、GATA-1は精巣のセルトリ細胞に、精巣の発達時期および精子成熟サイクルに特有のパターンを示して発現していることを見出した。一方、GATA-2は巨核球、肥満細胞に加えて、未分化血液前駆細胞に発現していた。後者について、マウス遺伝子ライブラリーより精巣型および赤血球型プロモーターを含むGATA-1遺伝子クローンを得て、それらの詳細な構造解析を実施した。その結果、すでに赤血球型プロモーターの上流に機能的に重要なGATA配列の存在が報告されているが、精巣型プロモーターにもGATA配列が存在していることが明らかになった。そこで、その機能を詳細に解析する目的で、セルトリ細胞の一次培養系調製法を確立した。GATA-2やGATA-3遺伝子の構造を詳細に決定したところ、これらGATA群をコードする遺伝子の構成は各因子間で、また、種を越えてたいへんよく保存されていることを見出した。これらの研究を通して、GATA転写因子群が細胞・組織特異的な転写調節に機能していること、また、その発現が巧妙に調節されている様子がさらに明らかになった。
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