研究課題/領域番号 |
05273207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 寿人 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (70127083)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 水晶体 / δ-クリスタリン / エンハンサー / 活性化因子 / 抑制因子 / δEF1 / E2-box / Soxファミリー |
研究概要 |
δ-クリスタリン発現は遺伝子第3イントロンのなかにあるエンハンサーによって大きく支配され、その水晶体特異性は、エンハンサーの中のDC5領域によって規定されている。DC5領域に体する抑制因子δEF1はCACCTをコンセンサスとする配列に特異的に結合することが明らかにされた。CACCTはEbox配列のサブグループ(E2-box)に含まれ、従って、bHLHタイプの転写活性化因子の一部に対する拮抗的抑制因子として作用するのではないかと予想され、またそれを裏付ける実験結果を得た。胚においては、脊索、筋節などの中胚葉組織においてδEFIの発現が際だっていた。筋節におけるδEF1の発現はMyoDファミリーの発現と同時期であり、Eboxを介したMyoDファミリーによる転写制御に対して積極的に干渉していると考えられる。脊索の形成と機能発現に必須なBrachyury(T)蛋白質の結合配列がCACCTを含むことから脊索においてδEF1は、Brachyuryによる転写制御に対しても抑制的に作用している可能性がある。 従って、δEF1は、δクリスタリンの水晶体特異的な発現に関与するだけでなく、bHLH蛋白質などに対する抑制因子として、胚発生のさまざまな舞台で重要な働きをしていると考えられる。その作用の全体像をつかむために、δEF1欠損マウスを作製し、表現型を解析している。 DC5領域の2つの活性化領域のうちの1つに結合するδEF2のcDNAをクローニングしたところ、Soxファミリーに属することが明らかになった。クローン化されたδEF2を強制発現することによって、δEF2のエンハンサー活性化能が確認された。
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