研究課題/領域番号 |
05273218
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
西沢 正文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20218150)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 転写制御 / 転写因子 / クロマチン / プロモーター / テロメア |
研究概要 |
1.GAL11は遺伝子の転写活性化に必要、不必要、あるいは抑制的に働くことが知られている。この機能の違いをもたらす機構を調べるために、合成UASとコアプロモーターを組み合わせた人工プロモーターを構築し、その発現に対するGAL11の影響を調べた結果、GAL11の機能は標的プロモーターの構造と配列特異的転写活性化因子の組み合せに依存することがわかった。 2.遺伝子の転写抑制機構の一つに位置効果(position effect)が知られており、酵母においてはサイレントな接合型遺伝子座やテロメアがその近傍の遺伝子の転写抑制効果を示す。テロメアのC_<1-3>A繰返し配列の隣に挿入されたURA3遺伝子の発現に対するGAL11の影響を調べた結果、GAL11がテロメアによる転写抑制に必要であること、gal11変異によりテロメアのクロマチン構造が変化することを見いだした。また接合型遺伝子座の転写抑制に関与する遺伝子(SIR遺伝子)とGAL11の相互作用を調べた結果、SIR遺伝子の一つSIR1の欠失変異をGAL11過剰生産により抑圧できることがわかった。このことはGAL11がサイレンサーによる転写抑制にも関与していることを示しており、GAL11が位置効果による酵母遺伝子の転写抑制に機能していることがわかった。 3.GAL11がテロメア以外のクロマチン構造に影響するかどうかを環状プラスミドの超ラセン密度の変化とGAL11により負に制御されるプロモーターのクロマチン構造について調べた結果、gal11変異により環状プラスミドの超ラセン密度が減少すること、コアプロモーター付近のクロマチン構造が変化することを見いだし、GAL11がクロマチン構造に影響することが強く示唆された。
|