研究課題/領域番号 |
05274101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
入村 達郎 東京大学, 薬学部, 教授 (80092146)
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研究分担者 |
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
木全 弘治 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 教授 (10022641)
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
安藤 進 東京都老人総合研究所生体膜部門, 部長 (30073000)
鈴木 康夫 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (00046278)
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
内貴 正治 国立予防衛生研究所, 獣疫医科学部, 部長 (10020752)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
168,400千円 (直接経費: 168,400千円)
1996年度: 41,200千円 (直接経費: 41,200千円)
1995年度: 42,000千円 (直接経費: 42,000千円)
1994年度: 44,200千円 (直接経費: 44,200千円)
1993年度: 41,000千円 (直接経費: 41,000千円)
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キーワード | 糖鎖認識 / 細胞接着 / 受精 / 形態形成 / がん転移 / 感染 / 神経ネットワーク / 糖転移酵素 |
研究概要 |
糖鎖遺伝子の産物の細胞認識における機能や制御機構を明らかにすることを通して、生物学的な重要問題の解決をはかることを目的としている。神経ネットワークの形成や神経細胞死と再生、治療や予防の困難な感染症の克服、細胞交通、アレルギー、腫瘍免疫などの免疫学的な諸問題の解決、癌転移メカニズムの解明、初期発生や形態形成の解明などである。入村は糖鎖を介した癌細胞認識、特に転移のメカニズムの解明を目指し、ヒト大腸癌の進行に伴って発現することが明らかになっているシリアルルイスX抗原はE-セレクチンのリガンドではないことを明らかにした。また、実験モデルではFuc-Tだけでヒト大腸癌の肝移転性が規定されうることを証明した。一方、マクロファージC型レクチンがムチン型腫瘍抗原を認識すること、またこれが卵巣癌の転移性を左右することを実験的に証明した。鈴木は微生物感染における接着分子の糖鎖生物学的研究を対象に、インフルエンザウイルスの宿主間伝播の分子機構の解明特に受容体であるシアル酸含有糖鎖の結合位置の変化に対応して、受容体の構造変化が起こることを発見した。安藤は、シナプス機能とシアロ糖鎖の研究を目標に、コリン性ガングリオシドの構造を決定し、またこの分子がシナプスにおいて、高親和性コリン取込み機構の一部を構成していることを明らかにした。川嵜は神経系接着分子における糖鎖の役割解明を目標に、HNK-1抗原の生合成にかかわるグルクロン酸転移酵素の精製とcDNAクローニングに成功した。木全は形態形成における細胞認識と接着を目標に、間充織の軟骨凝集の起こる部位には、4種のPG-Mのスプライシングバリアントのうちコンドロイチン硫酸鎖の最も多いフォームが発現して、抗接着活性を発揮すすることを示した。また、PG-Mの細胞表面レセプターを、精製、クローニングし同定した。さらに、PG-Mのレセプターの一つであるヒアルロン酸の合成酸素のcDNAクローニングに成功した。平井は、新しいガレクチンを線虫に発見した。神奈木は、免疫系細胞の糖鎖認識と接着を目指し、FucTVIIのアンチセンスベクターのトランスフェクションによって、リンパ性白血病細胞のシリアルルイスXが消失すること、すなわちFuc-TVIIの重要性を明らかにした。また、リンパ球でのFuc-TVIIの転写が、TAXによって誘導されることを示した。反町はCD44による分子認識と細胞認識を解明すべく、コンドロイチン硫酸型セルグリシンが臓器特異的な分布を示すことを明らかにした。菅野は、ヘリコバクターピロリの胃粘膜への付着に、胃粘膜のスルファチドが関与することを発見した。楠は、フコシルGM1の神経生物学的意義の解明を目指し、(アルファ1,2)フコース転移酸素cDNAをトランスフェクトしたNeuro2a細胞に、GM1を添加して培養するとアクソンの伸長がみられず、デンドライト様の分化を示すことを明らかにした。水落は、糖鎖認識性抗生物質の作用機作解明をゴールとし、プラディマイシンAがHIVのGP120の糖鎖に結合して感染を阻害することを証明した。
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