研究課題/領域番号 |
05274207
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 康男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30004336)
|
研究分担者 |
北島 健 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80192558)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | KDN-ガングリオシド / KDN-複合糖質 / KDN-糖鎖特異的単クローン抗体 / KDN-転移酵素 / KDNase / KDN結合加水分解酵素 |
研究概要 |
1986年に我々がKDNを発見して以来、現在までに種々の生物種にKDN残基を含む複合糖質の存在例の報告が年を追うごとに増してきている。KDN-複合糖質の例は今後益々増えるものとみられる。また、国内外でKDNを含む糖質に関する合成化学や生理活性検索など多角的な研究を耳にする機会が増してきていることは、KDNの発見者としても喜ばしい。我々は発見以来KDN-複合糖質に関する将来に向けた研究において何が最も緊急であるかを考慮し、研究を進めて来ている。本研究課題もその一環を成すものである。 本研究では、先ず免疫プローブとして我々が発見したKDN-ガングリオシド、KDN-糖タンパク質を用い各種KDN糖鎖構造に対して特異的な単クローン抗体の産生とそれらの活用を行なっている。既に、KDNα2→3Galβ1→構造に特異的なモノクローナル抗体を利用し微量に存在するKDN-ガングリオシドの検索の結果、新規なKDN-ガングリオシドおよびKDNとNeu5Ac両者を含むhybrid型のガングリオシドの存在を最近見出し、それらの一部は既に報告した。それらの構造は(KDN)GD1a、(KDN,NeuAc)GD1a、(KDN,NeuAc)GD1α、(KDN)GD1αなどと決定され、今後種々の生理活性調査を可能にする貴重な試料となる。本重点領域研究の枠外の研究ではあるが、国外の優れた研究者との共同研究によって、哺乳動物の組織・細胞内のKDN-含有複合糖質の発現・存在・分布・構造・機能を目指した研究にも着手し、著しい成果を挙げつつある。 先に見出し、精製したCMP-KDN合成酵素を活用し調製したCMP-[^<14>C]KDNをドナー基質として用い、2、3、のアシアロ糖脂質・糖タンパク質をアクセプター基質としてKDN-転移酵素の検索を行った結果、特異性を異にするKDN-転移酵素の存在を同定し得た。 また、KDN-複合糖質の構造・機能の研究に有用なKDNケトシド結合を加水分解する酵素KDNase(シアリダーゼに相当する)の発見にも努力しており、ある種のエキソシアリダーゼ活性がエキソKDNase活性を示すことを見出した。
|