研究課題/領域番号 |
05276210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高木 慎吾 大阪大学, 教養部, 助手 (10192626)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | アズキ / ヴェラパミル / オーキシン / カルシウムイオン / ジベレリン / 植物ホルモン / 表層微小管 / フシコクシン |
研究概要 |
植物ホルモンは、細胞膜に架橋された表層微小管の配列方向を変えることにより、セルロース合成酵素の移動方向を制御し、細胞の形の決定に寄与していると考えられている。植物ホルモンによってひき起こされる表層微小管の配列変化の素過程は解明されていない。本研究では、Ca^<2+>が関与している可能性を検証した。 明所で7日間育てたアズキ(Vigna angularis ‘Takara-rase')の上胚軸切片は、オーキシン(IAA)に依存した伸長を示す。ジベレリン(GA_3)は、単独では伸長をひき起こさないが、IAAと共存すると、茎の長軸方向への伸長を著しく促進する。この伸長促進は、IAA+GA_3処理後、2時間目から明らかとなる。そこで、茎の伸長量を規定していると考えられる表皮細胞の表層微小管の配向を、間接蛍光抗体法によって調べた。ホルモン処理直前の上胚軸切片の表皮細胞は、42%が茎の長軸と平行、40%が斜め、16%が垂直に配列した表層微小管を持つ。垂直方向の微小管を持つ細胞数は、IAA+GA_3処理1時間で40%、3時間で66%に増加する。IAAやGA_3の単独処理では、有意な配列変化は起こらない。表層微小管の配列変化は伸長促進に先立って起こり、垂直方向の微小管を持つ表皮細胞が長軸方向に伸長するため、最終的に茎の伸長促進がもたらされると予想される。GA_3による表層微小管の配列変化、茎の伸長促進が発現するためには、IAAの存在が必須である。細胞膜H^+ポンプの活性化を介した吸水が必要と想定し、H^+ポンプを活性化するフシコクシンをIAAの代わりに用いたところ、上記のGA_3の作用は発現した。さらにCa^<2+>チャネルの閉口剤であるヴェラパミルが存在すると、IAAやフシコクシンと共存した時の、表層微小管の配列や茎の伸長に対するGA_3の作用は抑制されることがわかった。表層微小管の配列変化が起こる際、吸水に伴って細胞外から流入するCa^<2+>が重要な役割を果たしていることが示唆される。
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