研究課題/領域番号 |
05277207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
影山 龍一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (80224369)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ヘリックス・ループ・ヘリックス / 転写制御因子 / レトロウイルス / 神経分化 |
研究概要 |
哺乳動物のヘリックス・ループ・ヘリックス型転写因子HES-1は、未分化な神経・筋組織で高レベルに発現しているが、分化とともにそのレベルは低下する。さらに、HES-1はMyoDによる筋分化を抑制する。今回、神経分化におけるHES-1の役割およびHES-1の発現制御機構について解析を行ったので以下に報告する。 1.神経分化におけるHES-1の役割 神経前駆細胞にHES-1を強制発現させて、神経分化に与える影響について解析した。そのために、HES-1及びlacZを発現するレトロウイルス(SG-HES1ウイルス)及びlacZのみを発現するコントロール・レトロウイルス(SGウイルス)を作製した。いずれのウイルスが感染してもlacZが発現するのでX-gal染色により感染細胞は青く染まる。 これらのウイルスをマウス胎児の脳室に注入することにより神経前駆細胞に感染させた。生後、脳切片を作製しX-gal染色を行い、ウイルス感染細胞の分化パターンを調べたところ、SGウイルスに感染した細胞は正常な神経分化をしていたがSG-HES1ウイルスに感染した細胞は正常な神経分化像を示さなかった、。従って、HES-1は筋分化と同様、神経分化も負に制御していることが明らかになった。 2.HES-1の遺伝子発現制御機構 HES-1遺伝子のプロモーターにCAT遺伝子をつないでCATアッセイを行ったところ、非常に強い活性が得られた。しかし、HES-1発現ベクターをcotransfectionしたところ、CAT活性が著明に減少した。HES-1プロモーターにはHES-1自身が結合するNボックスが3カ所存在しているので、これらに変異を導入したところHES-1発現ベクターによる抑制がなくなった。以上から、HES-1はNボックスを介してnegative autoregulationしていることが明らかとなった。今後、このnegative autoregulationと分化におけるHES-1の発現低下との関係について調べる予定にしている。
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