研究課題/領域番号 |
05277212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安倍 眞一 熊本大学, 理学部, 教授 (90109637)
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研究分担者 |
山本 卓 熊本大学, 理学部, 助手 (90244102)
高宗 和史 熊本大学, 理学部, 講師 (20206882)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1993年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 精子分化 / 減数分裂開始 / 精原細胞 / 第一精母細胞 / セルトリ細胞 / FSH / cDNAクローニング / アネキシン |
研究概要 |
(1)セルトリ細胞と精原細胞との相互作用: 生体内でのホルモン等の影響をできるだけ除くため、精原細胞ステージの精巣を-FSHの条件で3日間培養した後、精巣を解離し、メトリザマイドの密度勾配遠心によって精原細胞と体細胞(主にセルトリ細胞)を分離し、精原細胞のみ、あるいは、精原細胞とセルトリ細胞を混ぜたものを旋回培養し、〔^3H〕チミジンを20時間取り込ませて、取り込まれた放射能量を測定した。その結果、精原細胞のみでは±FSHによる差がほとんどないが、セルトリ細胞を混ぜると+FSHでの取り込みが顕著に増加した。LH(luteinizing hormone)はほとんど影響がなかった。また、精母細胞ステージの精巣を解離して生殖細胞と体細胞を分離し、〔^<125>1〕ヒツジFSHの結合を調べたところ、体細胞に結合することが明らかになった。これらの結果より、FSHはセルトリ細胞に結合し、活性化されたセルトリ細胞が精原細胞に働いてDNA合成を開始させることが強く示唆された。 (2)immunoldifferential screeningによる第一精母細胞特異的に発現する遺伝子の分離: 精原細胞ステージの精巣と精母細胞ステージの精巣をそれぞれ抗原としてウサギに免疫し、得られたそれぞれの抗血清を用いて、精母細胞ステージの精巣から抽出したmRNAをもとにlambdagt11で作成したcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、(a)減数分裂の開始と共にmRNA量が増加するクローンを2つ、(b)mRNA量が減少するクローンを2つ、得た。塩基配列のホモロジー検索の結果から、(a)のcDNAの1つは、ウシのannexin5と約70%、他の1つはラットのglutatione S-transferaseと約70%、(b)のcDNAはヒトのhnRNA構成タンパク質と約60%の相同性がみられた。このうち、annexin5は、細胞内情報伝達に関わるカルシウム結合タンパク質であるannexin familyの1つであり、イモリannexinをコードしていると考えられる。
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