研究課題/領域番号 |
05277214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
八杉 貞雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (70011591)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1993年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | ニワトリ初期胚 / 胚葉成立 / ケラチン / Cdx-A遺伝子 / 分化能 |
研究概要 |
本研究の目的は、ニワトリ初期胚において(1)原腸陥入によって胚盤葉上層から外・中・内胚葉が成立する過程を胚葉特異的マーカーを用いて追跡し、(2)胚葉成立時に生じる部域性とそれに引き続いて起こる器官形成との関係を明らかにすることである。平成5年度には以下の研究を行った。 (1)実験発生学的方法によって、ニワトリ胚消化器官上皮のケラチン分子の発現が、間充織によって制御されていることを明らかにした。またニワトリ初期胚においてケラチン分子がいつからどの胚葉に出現するかを調べるために、ニワトリ15日胚消化器官に存在するケラチンを抽出し、モノクロン抗体(C4C2)を作成した。この抗体は成立直後からの内胚葉を認識するので、胚葉成立時に細胞が上皮化することのよいマーカーになることが期待される。(2)ショウジョウバエのcaudalのホモログであるCdx-Aは、ニワトリ初期胚で内胚葉に発現することが報告されている。このcDNAを用いてwhole mount in situ hybridizationを行ったところ、原条と内胚葉の後半部に強いシグナルが得られた。今後はこの発現を手がかりに、様々な実験条件での胚葉の分化の機構を探っていく予定である。(3)種々の発生段階の内胚葉を6日胚消化器官間充織と共に培養し、その形態的及び機能的分化を検討した。その結果は、内胚葉の発生運命は、胚葉成立直後には既にある程度決定されていることをはっきりと示している。これらの結果および従来我々の研究室でなされきた数多くの6日胚消化器官の上皮-間充織相互作用の結果から、ニワトリ胚内胚葉においては、内胚葉のおおまかな発生運命がまず決定され、それに基づいて内臓板中胚葉の部域がきまり、ついで内臓板中胚葉由来の消化器官間充織の局所的な誘導あるいは抑制作用によって最終的に消化器官上皮の発生運命が決定すると考えられる。今後はより早い発生段階での内胚葉の分化能を明らかにする予定である。
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