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大脳皮質における層特異的な神経結合の形成機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05277215
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

山本 亘彦  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00191429)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード大脳皮質 / 標的認識 / 軸索伸長排斥 / 層特異性 / 上丘 / coculture
研究概要

大脳皮質から他の能部位への遠心性神経結合では、特定の皮質層に属するニューロンが対応する標的部位へ軸索を投射することが知られている。この皮質遠心性結合の形成機構を解明するために、大脳皮質視覚野から上丘への軸索投射(5層の細胞が上丘へ軸索を伸展させる)に焦点を当てorganotypic cocultureを用いて解析した。大脳皮質切片、上丘組織片を新生、胎生期のラットから切り出し両組織片を共培養した。培養約1週間後に蛍光色素DiIを皮質の浅層部あるいは深層部に置いて標識される軸索の投射パターンを調べた。DiIを浅層に注入した場合、多くの軸索は皮質の最下層に到達したが、上丘組織片内にはほとんど侵入していなかった。一方、DiIを深層部に注入した場合は、一部の軸索が上丘内で伸展していることが観察された。次に浅層からの軸索が上丘に侵入しない要因を調べるために、上丘を一端ホルマリン固定ならびに熱処理を加えた後、生きた皮質組織片と共に培養した。皮質の浅層にDiIを置いてその軸索の伸長パターンを観察すると、ホルマリン固定、熱処理を加えた上丘片には多数の標識された軸索が伸展していることがわかった。さらに、この処理した上丘に軸索を投射するニューロンの層分布をDiIの逆行性標識により調べた。生きた上丘と皮質の共培養では標識された細胞が5層に局在するのに対して、処理した上丘と皮質の共培養ではその分布はかなり広がったものになった。これらの結果は、固定、熱処理を受けた上丘に対しては皮質2/3層からの軸索が伸長できるようになることを示すものと考えられる。従って、上丘には2/3層ニューロンの軸索伸長にとっては排斥的な因子が存在するが、固定、熱処理によってそれが失活したと考えられる。さらにこの因子は5層ニューロンの軸索伸展には効果が無いことから、かなりの選択性を有する軸索伸長排斥物質であると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kurotani,T.,Yamamoto,N.Toyama,K.: "Development of neural connections between visual cortex and transplanted lateral geniculate nucleus in rats" Developmental Brain Research. 71. 151-168 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Toyama,K.,Komatsu,Y.,Yamamoto,N.,Kurotani,T.: "In vitro studies of visual cortical development and plasticity" Progress in Neurobiology. 41. 543-546 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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