研究課題/領域番号 |
05278110
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
森杉 壽芳 岐阜大学, 工学部, 教授 (80026161)
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研究分担者 |
肥田野 登 東京工業大学, 工学部, 教授 (90111658)
大野 栄治 筑波大学, 社会工学系, 講師 (50175246)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 環境質 / 環境勘定体系 / 経済評価 / 一般均衡分析 / 等価的偏差 / 支払意思額 / 代理市場法 / 消費者余剰 |
研究概要 |
現在、提案されている環境質の評価手法として旅行費用法,回避費用法,再生費用法,資産価値法,価値意識法などがあるが、これらの手法の多くは効果の波及に関する考慮に欠けているために効果の二重計測や計測漏れの可能性があるなどの問題をもっている。本研究では、そのような問題を克服するために一般均衡論のフレームで評価モデルを構築した。本研究の成果は以下のとおりである。 (1)効用理論のフレームで個人の効用関数に等価的偏差の概念を適用して環境質向上による便益を定義した。すなわち、環境整備によって達成される効用水準を維持するという条件の下で個人が環境整備を諦めるために必要と考える最低補償額を環境質向上による便益とした。これによって環境質が所得(貨幣)の単位で評価できるようになった。 (2)一般均衡論のフレームで環境質向上による便益の定義式を展開して評価モデルを誘導した。そのとき、モデル式を環境質の代理市場における需要関数のシフトによって発生する消費者余剰の増分で表される形に近似した。これによって効果の二重計測や計測漏れの問題が回避されることになった。 (3)ここでは価値意識法に基づく効果の定義式を展開することによってモデル式を旅行費用法(あるいは資産価値法)における評価モデルに似た形で与えており、本研究で構築した評価モデルが既存の評価手法を根本から否定するものではない。 以上が主な成果であるが、環境質の変化を的確に反映する代理市場をどのようにして特定するかが今後の課題として残されている。
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