研究概要 |
近年家畜ふん尿の処理が不十分で,そのため多くの地域で深刻な悪臭および水質汚濁問題を起こしている。 本研究の目的は家畜ふん尿に易分解有機物を添加し,有機物を活発に分解させ,そのエネルギーによって家畜ふん尿の水分を蒸発させ,処理水をださない処理法を開発することである。家畜ふん尿を木質材や他の担体に吸収し,廃動植物油等を加え,高温下で好気的に有機物を分解し,水分の蒸発によって十分な量の分解エネルギーを発生させる。 本研究では豚プン尿(BOD約30,000mg・l^<-1>,SS34,000mg・l^<-1>)に大学食堂から得た廃油(BOD約2,000,000mg・l^<-1>)を10%(W/W)添加し,次の条件で処理することにより汚泥の生成がほとんどなく,全排水を蒸発させることができた。 (1)反応装置のBOD容量負荷は12.8kg・m^<-3>・d^<-1>,水理学的負荷は50kg・m^<-3>・d^<-1>が最適である。 (2)通気量は負荷によって異なるが,200l・m^<-3>・min^<-1>前述の負荷の場合が最適であった。 (3)廃油の添加はアンモニア発生防止のためにも有効であった。また,ゼオライトを添加すればさらにアンモニアの発生防止に有効であった。
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