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金属化合物の生体への遺伝的影響

研究課題

研究課題/領域番号 05278204
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

山本 和生  東北大学, 理学部, 助教授 (20093536)

研究分担者 赤阪 進  大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (10158719)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード鉄イオン / 突然変異 / トランスバージョン / supF遺伝子 / 8_-ヒドロキシグアニン
研究概要

金属イオンは通常の社会生活に常に存在し、生存には必須のものである。しかしまた、金属イオンの酸化、還元反応により発生するラジカルは、遺伝的悪影響を生体に及ぼすことが予想される。金属イオンは、生命の基本作用に必須であるために、個々の金属イオンの発癌性や突然変異誘発性を正しく評価することは、非常に因難である。本研究では、金属イオンにより生じる、フリーラジカルとりわけ酸素ラジカルの役割に注目し、Fe^<2+>イオンがプラスミドpZ189上の大腸菌supF遺伝子DNAのどの部位にどのような特長を持つ突然変異を誘発するか、を明らかにすることを目的とした。125μMの塩化第一鉄(FeCl_2)をEDTA存在下に二本鎖DNAプラスミドpZ189と反応させ、宿主大腸菌に感染し、supFの突然変異体を得た。この場合、突然変異頻度は約10倍上昇し、鉄イオンには、変異誘発作用のあることが確認できた。変異体の塩基配列を調べたところ、G:C_->C:GおよびG:C_->T:Aのtransversionが優先して生じていた。また、133,156,159,160,172番目の塩基対に変異が多発しているのも特徴である。これらの結果、過酸化水素による変異の結果と良く一致している。過酸化水素は、環境中の微量の鉄イオンと反応し、水酸ラジカル(OH・)を作る。OH・はグアニンを修飾し、8_-ヒドロキシグアニンを作る。DNA上の8_-ヒドロキシグアニンは、DNA複製時には、アデニンまたはシトシンと対合することができる。その結果、G:C_->T:Aのtransversion優先して作られる。一方、8_-ヒドロキシグアニンはグアニンとは対合しない。したがって、G:C_->C:Gの原因とはなりえない。Fe^<2+>処理の場合、環境中に微量に存在する過酸化水素との反応でOH・が作られる。過酸化水素の場合と同様に、できた8_-ヒドロキシグアニンが、G:C_->T:Atransversionの原因となる。G:C_->C:Gのtransversionは、しかしながら、8_-ヒドロキシグアニンとは別の損傷が原因である。その損傷の同定が、今後の重要な課題である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tadamasa Bessho,R.Roy,Kazuo Yamamoto,et al.: "Repair of 8-hydroxyguanine in DNA by mammalian N-methylpurine-DNA glycosylase." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90. 8901-8904 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Kouichi Takimoto,Kazuo Yamamoto,et al.: "Spectrum of proton-induced mutagenesis of Escherichia coli crp gene." Mutation Res.314. 1-9 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Susumu Akasaka,Kazuo Yamamoto: "Hydrogen peroxide induces G:C to T:A and G:C to C:G transversions in the supF gene of Escherichia coli." Mol.Gen.Genet.(in press). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Susumu Akasaka,Kazuo Yamamoto: "Mutational Specificity by active oxygens in supF gene of Escherichia coli." International Congress Series 1058;VI International Conference on Superoxide and superoxide dismutase. (in press). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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