研究課題/領域番号 |
05278221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
玉浦 裕 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (00108185)
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研究分担者 |
吉田 崇 東京工業大学, 理学部化学, 助手 (50251608)
辻 正道 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 助教授 (20111643)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 反応性セラミックス / 人工炭酸同化システム / 水素発生 / 炭素析出マグネタイト / ニッケルフェライト / CIOlayer / 二酸化炭素 / XPSスペクトル |
研究概要 |
反応性セラミックスとしてニッケルフェライト(Fe304,NiFe0)を水素により還元して得られる酸素不足型ニッケルフェライト(Fe304-δ、NiFe0-δ)を用いた水の分解による水素の発生反応について検討を行った。 水の分解反応は他の分解反応とは異なった機構で進行し、酸素不足型ニッケルフェライトと二酸化炭素が反応して生成する表面に炭素の析出した酸素不足型ニッケルフェライトは水により化学量論組成を越えて酸化を受けその結果水素を放出する。さらに炭素の析出した酸素不足型ニッケルフェライトは減圧処理することで容易に酸素が脱離し活性化度(δ)が増加することが分かっており、この様な特異な反応はXPSスペクトルの測定並びにラマン分光測定の結果、表面に析出した炭素が特殊な表面層(CIOlayer)を形成していることが分かった。 マグネタイト(Fe304)は、直接水と反応し水素を発生することはないが、マグネタイトを利用した二酸化炭素分解過程で得られる炭素析出酸素不足型マグネタイト(Fe304-δCτ)は水と反応して酸化を受けδ=0よりも更に酸化状態(δ<0)となる。このため残存δ値を考慮しても使用水素よりも多い水素が獲得できる。ニッケルフェライトで同様の反応を行うと炭素の消失は少なく減圧による活性化で再生することが可能である。 ニッケルフェライトに金属銅で脱酸素処理を行ったArガスをキャリアーガスとして通気(20ml/min)し、間欠的に水蒸気と反応させ発生したガスを質量分析計で分析を行った結果で、350℃で水を導入すると繰り返し水素を発生した後、40分間の減圧処理を行うと水素発生量が増加し減圧により活性化され、さらに水素を発生した。 このように反応性セラミックスとしてニッケルフェライト用いると、析出炭素が消失することなく活性化過程と水素発生過程を繰り返すことが可能なことが確認され、水素エネルギーを獲得出来る可能性が見いだされた。
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