研究課題/領域番号 |
05278233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 坦之 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90029257)
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研究分担者 |
鳩野 逸生 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10208548)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 地球温暖化 / 環境リスク評価 / 効用理論 / 総量規制 / 環境税(炭素税) / 投入産出分析(産業連関分析) / 社会的意思決定支援 / 合意形成支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、地球温暖化に関する予測モデルの違いによって環境影響評価に違いがでる、といった不確実な状況のもとで、温暖化物質(とくにCO_2)を規制する種々の方策を評価する問題を、不確実下の意思決定問題としてとらえ、そのシステ方法論を展開することにある。 本年度の研究実績および今後の課題を要約すると次の通りである。 1)地球温暖化による環境リスク(とくに異常気象)の評価問題を、不確実下の意思決定問題として定式化し、Dempster-Shaferの確率理論に基づいて作成した評価モデルを用いて解析を試みた。具体的には、三つの代替案a:CO_2の排出レベルを2000年迄に1990年レベルに戻す、b:CO_2の排出レベルを現状のまま維持する、c:CO_2の排出を規制しない、を考え、悲観的な人、普通の人、楽観的な人が各々どのような評価をするかを、作成した評価モデルを用いてシミュレーションした。その結果、意思決定支援を目的とした評価モデルとしての妥当性を確認することができた。 2)経済効果とのトレードオフ分析も含めて、産業界におけるCO_2排出の抑制を目的とした総量規制および環境税(炭素税)の効果を、投入産出分析(産業連関分析)によって評価するモデルを作成した。昭和60年の産業連関表を4部門に集約したデータに基づいて解析を試みた結果、CO_2除去技術が未成熟な間は、環境税を課してもCO_2排出総量を減少させることは望めないが、CO_2除去技術がある程度進歩して安価に除去可能になった段階で環境税を課すと、CO_2排出総量を減少させる上で効果があることが判明した。 3)家庭における省エネルギーを目的として、生活者のライフスタイル転換に関する意識構造を解析することを目的にしてアンケートを準備中であり、データの採集とその解析については今後の課題としたい。
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