研究課題/領域番号 |
05278236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
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研究分担者 |
江副 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (40232954)
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (00188161)
丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ベンゼン / ハイドロキノン / 遺伝的多型 / PCR / アルデヒド脱水素酵素 / 染色体変異 / 姉妹染色分体交換 / 飲酒 |
研究概要 |
白血病の危険因子でありガソリン成分という形で身近に存在するベンゼンの重要な代謝産物の1つであるハイドロキノンによる誘発姉妹染色分体交換(SCE)頻度を指標として、染色体変異誘発性の個体差を明らかにし、東洋人に顕著な多型のみられるaldehyde dehydrogenase(ALDH2)の多型がこの染色体変異誘発性に及ぼす影響の解析を行った。対象者は、某中規模製造業企業男子従業員135名である。染色体変異の指標としては、姉妹染色分体交換(SCE)を用いた。ALDH2の多型は、点突然変異を含むエキソン12をPCRにて増幅し、我々が開発した簡便なRFLP法により3つの遺伝子型を同定した。また飲酒頻度、飲酒量の情報は、あらかじめ質問票により得た。 ALDH2活性欠損群(ヘテロ+変異型ホモ)では、飲酒量の増加に伴い基底SCE頻度の増加がみられたが、ALDH2活性保有群(通常型ホモ)では、飲酒量による違いはみられなかった。培養中にハイドロキノン(HQ)を負荷した際のSCE頻度についても、基底SCE頻度と同様にALDH2活性欠損群では飲酒量の増加に伴いSCE頻度の増加がみられ、その程度は基底SCEよりも顕著であった。一方ALDH2活性保有群では、HQ負荷SCE頻度の飲酒量による違いはみられなかった。以上の結果より、アルコール感受性とHQ感受性の間にALDH2活性欠損という共通の要因が働いている可能性が示唆された。今後はALDH2以外のGST1等の遺伝素因との関連についても同様の解析を進めていく必要があろう。
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