研究課題/領域番号 |
05301006
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
倫理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 正英 東京大学, 文学部, 教授 (90083708)
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研究分担者 |
黒住 真 東京大学, 教養学部, 助教授 (00153411)
高島 元洋 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (90127770)
窪田 高明 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (80195502)
竹内 整一 専修大学, 文学部, 教授 (80107515)
西村 道一 茨城大学, 人文学部, 教授 (30114599)
遠山 敦 東京大学, 文学部, 助手 (70212066)
菅野 覚明 東京大学, 文学部, 助教授 (70186170)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 徳 / 日本人の道徳的志向 / 儒教 / 仏教 / 神道・国学 / 西洋近代思想 |
研究概要 |
本研究は、日本人の倫理思想を形づくる基礎的範疇の内、特に徳目に関する概念をとりあげ、その概念の内容の確定、及び歴史的生成過程・相互間の関係などの検討を通じて、日本人の道徳的志向の基礎的枠組みを解明することを目的とする。具体的には古代から近代に亙る思想文献から徳目用語を幅広く抽出し、それらを分類・整理するという基礎作業を通じて、最終的には日本の徳目概念の全体を体系的に捉え直すことを目指すものである。こうした目的の下、基礎作業を通じて問題となったのは、古くは儒教・仏教、近くは西洋近代という圧倒的な外来思想の影響の下に思想形成を余儀なくされてきた日本にあって、徳目概念そのものの殆どがそうした外来思想に負うものであり、さらには「徳」という大枠の規定自体すら無媒介の前提とはなしえないという事情であり、そうした中で日本の徳目の「固有性」をどのように抽出するかという方法的な問題であった。 こうした問題点をふまえ、得られた知見及び成果として以下の事柄が挙げられる。即ち、 1.儒教的徳目が学的反省をともない体系的に日本にもたらされたのは、宋学受容による江戸期の儒教においてであり、そこに儒教的徳目概念の日本的変容を認めることができる。荻生徂徠の『弁名』を一つのケーススタディとして作成した報告書所載の「徳目索引」は、そうした観点に立つ成果である。 2.仏教的徳目(特に善悪)の日本的変容を、日本最古の仏教説話集『日本国現報善悪霊異記』に認めることができる。仏教固有の戒律及び輪廻思想と善悪観をめぐる報告書所載二論文はそうした観点に立つ成果である。 3.西洋近代思想の受容にともなう日本人の道徳意識の学的反省の一形態として、西村茂樹等の国民道徳論及び西田幾多郎・和辻哲郎等の著述が注目される。報告書所載二論文はそうした観点からの成果である。
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