研究課題/領域番号 |
05301012
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 英寿 (大橋 秀寿) 東北大学, 文学部, 教授 (40002927)
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研究分担者 |
高石 利博 沖縄県, 本部記念病院, 院長
遠山 宣哉 (遠山 宜哉) 弘前大学, 保健管理センター, 助教授 (00227563)
保良 昌徳 沖縄国際大学, 文学部, 助教授 (30220164)
作道 信介 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50187077)
大渕 憲一 東北大学, 文学部, 助教授 (70116151)
石井 宏典 学術振興会, 特別研究員
中村 完 琉球大学, 法文学部, 教授 (60044963)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 死生観 / 沖縄 / 宗教 / 長寿 / 老人 / 祖先崇拝 / シャーマニズム / シャーマン / ユタ / 長寿社会 / 他界観 |
研究概要 |
仮説「沖縄の固有信仰に支えられた死生観は、精神的安定と死をめぐるストレスの緩和に寄与して、長寿の促進要因をなしている」を検討することを目的に、本研究は社会心理学を中核として、宗教心理学、老人心理学、精神医学などの視点から総合的にアプローチした。 老人ホームでの質問紙調査、地域でのフィールドワーク、ユタの手紙の内容分析、沖縄文学作品の内容分析などの方法によって、沖縄の死生観について以下のことが明らかになった。沖縄の老人は、自分の死によって周囲の者との関係が断絶するとは考えていない。自分の死後も、現世に残された家族・親族との関係は日々のウチャト-(お茶を上げ手を合わす日常の祈り)やさまざまな年中行事を通して保たれ、その関係は継続されるという祖先崇拝を基本とする世界観がもたれているからである。したがって、老人たちは自分が生きている間に、残していく者から拝んでもらうことについての確約を得ることが必要となってくる。その確約こそが安心して死んでいく条件であり、生きている間にしておかなければならない仕事なのである。また、この祖先崇拝の行事をとりおこなうことは沖縄の人々、特に女性のストレス緩和や精神衛生へ大きく寄与している。このような死生観を背景としながら、増加しつつある老人ホーム入所者は、入所についての心理的な抵抗感をもち続け、終末の場所についても理想と現実とのギャップが出始めている。 以上、これまで沖縄の固有信仰が長寿に果たしてきた役割と、今後さらに増加するであろう家で最期を迎えることのできない高齢者たちの問題が検討された。
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