研究課題/領域番号 |
05301031
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中山 和彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (50091913)
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研究分担者 |
東原 義訓 信州大学, 教育学部附属教育実践研究指導センター, 助教授 (90143172)
石田 敏子 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (10052250)
能田 伸彦 (能田 信彦) 筑波大学, 教育学系, 教授 (80020121)
大谷 尚 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (50128162)
余田 義彦 東京家政学院, 筑波短期大学, 助教授 (20191653)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 在日日系児童 / 学習困難 / 母国語によるCAI / 学習用と日用語の違い / 家庭での学習援助 / 日本語の貧困 / 日系児童教育 / CAI / 算数 / 計算方法 / 日本語学習 / コースウェア / 日系児童 / 教材開発 / ポルトガル語 / 二国語問題 / 計算手法差 |
研究概要 |
(1)学習における問題点は、その児童がどの言語に習熟しているかに大きく依存する。学力不足は、家庭と学校とでバイリンガルの環境に置かれるために日本語の能力が同級生に比べて低いために起因すると考えられる。 (2)母国において学校教育を受けておらず、1年生として日本の小学校に入学した児童は、母国の学校で学習していた児童と比べて日本語習熟上の問題は少ない。しかし、日本人の新入生で平仮名の読めない子や、100までを数えられない子は殆ど居ないのに対して、日系人の子弟にはそれが出来る子が全く居ない。このことは、就学前の学習(=家庭教育)の問題であり、入学してからでは既に手遅れであり、何らかの処置が必要である。 (3)学校入学前に来日した子どもや、低学年で来日した子どもは、母国語の読み書きが殆どできない。そのためか、日本語と母国語の両方で提示される教材に対して猛烈な拒否反応を示し、学習を行わない。しかし、同じ教材が日本語のみで提示される場合には一般の日本人児童と同様に、積極的に学習を行う。 (4)日本語と母国語の両方で提示された教材で学習を進めたのは、4年生になって来日した子どものみであった。この子どもや他の地域で4年生で入学(スペイン語)した子どもは、6年生になった時には日本語での学習に問題はなくなり、社会科、国語等も、普通の子どもと同じように学習することが可能になった。 (5)言語の問題が学習上に大きな障害をもたらしているが、他の大きな問題として、算数の計算方法の違いによる問題が明確になった。これは(5)に示した子どもで発見したことで、社会科や国語は他の児童よりも良い位であるのに、算数の計算が遅いのである。その原因を調べてみると、引算の計算方法の違いで、引算を足し算でするという点にあった。例えば、5-3を計算させると、3に1と、1を足して5になるから、答えが2となるというように計算するのである。そのため計算速度が遅くなり、これを直すのに非常な時間を必要とした。 〔結語〕日系児童の学力不足をもたらす主因は、日本語の習熟度によることが明確になった。母国語を使って補助しようとしても、学習出来るだけの母国語の能力をもっておらず効果はあまり考えられない。1年生として入学する前に、一般の子どもと同レベルの日本語の習熟が出来ているような方策を考え、実施することが必要であろう。
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