研究課題/領域番号 |
05301040
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永ノ尾 信悟 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40140959)
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研究分担者 |
森 雅秀 高野山大学, 文学部, 講師 (90230078)
山下 博司 東北大学, 言語文化部, 助教授 (20230427)
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (00188335)
関根 康正 学習院女子短期大学, 人文学部, 教授 (40108197)
石井 溥 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90014513)
臼田 雅之 東海大学, 文学部, 教授 (60151867)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ヒンドゥー教 / 儀礼 / 年中儀礼 / プラーナ / ダルマニバンダ / 地域分布 / プラーナ文献 / 地域性 / 文化変容 |
研究概要 |
長い歴史を持ち、インド亜大陸に広がり、個々に複雑な階層性を示すインド文化の全体的な考察は困難である。ヒンドゥー教の重要な要素をなす年中儀礼に焦点をあて研究を行った。サンスクリット文献研究に従事する者と、文化人類学研究者の共同研究の形をとった。 1.ヒンドゥー儀礼は先行するヴェーダ祭式と大きく異る。新たにプ-ジャーという神々の礼拝方法が整えられた。また、太陰月の半月の15日の各々に特定の神々が配された。この二つの現象は、ヴェーダ文献の最新層をなすグリフヤス-トラ補遺文献において始めて記述された。 2.ある特定の月の特定の日に行われる年中儀礼は、紀元後600年以降のプラーナ文献により組織的に伝えられる。いくつかの文献は年中儀礼のコレクションを持つが、約2割程の儀礼は聖地の縁起譚や他の神話の挿話として記述される。3年間で9割程の記述を収集できた。 3.プラーナ文献における儀礼の伝承過程においても変容を見ることができる。古くはヴィシュヌ神に第12日が配された。今日では第11日がこの神の日である。この変化は13世紀頃に起こったと推測できる。 4.イスラム侵入後新たにダルマニバンダと総称されるサンスクリット文献が作られた。従来の伝統の体系化をめざした。初期のダルマニバンダはそれ以前の文献をまとめる形で編纂された。16世紀以降は初期ダルマニバンダが新たな権威として引用される。それと平行し、各地の儀礼の慣行の先行する文献にもとづく権威付けの操作がみられる。 5.このように形成された地域的な伝統は今日、全インド的、南・北インド的、複数の州にまたがるもの、州の単位より狭い地域に分布するものなど、いくつかの分布状況を示す。その分布の広がりの差のいくつかはダルマニバンダの影響を考慮にいれて説明できる。
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