研究課題/領域番号 |
05301042
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
速水 侑 東海大学, 文学部, 教授 (60055944)
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研究分担者 |
末木 文美士 東京大学, 文学部, 助教授 (90114511)
大原 仁 (小原 仁) 聖心女子大学, 文学部, 教授 (30001811)
永村 眞 日本女子大学, 文学部, 教授 (40107470)
小内 堯央 (木内 堯央 / 木内 尭央) 大正大学, 人間学部, 教授 (00054651)
大隅 和雄 東京女子大学, 文理学部, 教授 (20000573)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 院政期 / 仏教教学 / 仏教教団 / 仏教音楽 / 埋経 / 聖 / 勧進活動 / 転換期 / 院政柳 / 地方伝播 / 神祇信仰 |
研究概要 |
本研究では、古代と中世の接点である「院政期」に焦点を絞り、その時代における仏教の特質を考察すべく、平成5年度より【.encircledA.】僧伝研究と【.encircledB.】実地調査の作業をすすめ、I「仏教教団の変質」、II「仏教と諸宗教・諸文化との関連」、III「仏教の地方伝播」それぞれの視点から検討を重ねてきた。これらを通じて明らかになった諸点について、次の5つの役割分担にもとづいて整理された。(1)仏教教学とその実践では、院政期の教学動向として本覚思想の展開とそれに歯止めをかけようとする文献主義・始覚主義の動向があることが明らかにされ、顕密体制論の見直しの必要性が指摘された。(2)中国仏教との交流では、日本仏教の中世的転換の要因として戒律に対する関心と遊行するという属性をもった聖の輩出があり、それらが多くの入宋僧を生み出すことになった点が強調された。(3)寺院と僧侶集団では、寺院内で階層分化がおこり、異なる身分・タイプが形成されたこと、その中での寺院組織・寺院運営や宗教行事の情況、さらには教団の中核となる僧侶の思想などが明らかにされた。(4)仏教の布教と受容では、経塚の造営や寺院建立(再建)のための勧進活動による布教と受容の様相、さらには仏教の動向と密接に関連する陰陽道や神祇信仰の変質・展開について論じられた。(5)仏教文化の展開では、摂関期までの文化が展開する中で集成と類聚がおこなわれたこと、前代に成立した師資相承と家職の制の進展によって各方面において芸道化が進んだことなどが明らかにされた。この結果、院政期仏教の歴史的意義、古代的宗教と中世的宗教の相違点と連続面についての整理・総括ができた。この他、日本仏教史における「古代」「中世」とは何かという根本的問題についても論じられたが、それらを含めた詳細については、論文集『院政期仏教の総合的研究』(仮題)の中で公にすべく、出版に向けて努力している。
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