研究課題/領域番号 |
05301047
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
村岡 健次 甲南大学, 文学部, 教授 (40031778)
|
研究分担者 |
深尾 裕造 島根大学, 法文学部, 助教授 (20135891)
川島 昭夫 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (00128779)
安原 義仁 広島大学, 教育学部, 助教授 (00093823)
松塚 俊三 福岡大学, 人文学部, 教授 (10165821)
藤井 泰 松山大学, 経営学部, 教授 (80148783)
井野瀬 久美恵 甲南大学, 文学部, 助教授 (70203271)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | パブリック・スクール / 資格試験 / ジエントルマン教育 / 市民大学 / ハイヤー・グレート・スクール / 軍隊教育 / 法曹教育 / 医学校 / ジェントルマン教育 / 上構型中等教育 / 資格試験制度 / オックスブリッジ / 法学教育 / 陸軍士官教育 / 大学拡張運動 / 帝国大学会議 |
研究概要 |
近代のイギリスは、経済の最先進国で、自由放任の風潮が支配的であったため、他の西欧諸国とし比べて、大衆の公教育化のテンポはそれだけ遅く、エリート教育は、アマチュアリズムのジエントルマン教育がその特色となっていた。だが、1870年代から20世紀初頭にいたる帝国主義期には、国内では大衆への選挙権拡大によって政治の大衆化・民主化が進み、いっぽう対外的には、民族主義の台頭を背景に、帝国(=植民地)総合を目指す帝国主義政策が推進された。それゆえこの時期には、イギリスの教育のあり方も大きく変わったはずで、その変化の様相を解明するのが、本総合研究の目的であった。 われわれは、この帝国主義期にはイギリスでも教育の近代化(=民主化と専門化)が著しく進んだという予測を抱いて研究を始めたが、研究の結果は、この予測を大きく裏切るものとなった。なるほど大衆の公教育化は、1870年の初等教育法成立以降、たしかに進んだ。だがエリート教育の面では、筆記試験制度の導入などそれなりの専門化・合理化が計られたとはいえ、医学教育以外のほとんどの分野で、中流層を取り込んで伝統的なジエントルマン教育がむしろ強化されていくという実状が判明した。とくにジエントルマン教育を保存しようとした中等教育の保守的改革が、その核となったといいうる。また女子教育も、拡大されたとはいえ、淑女教育の理想を克服するにはいたらなかった。以上が本総合研究が到達した一つの結論である。 なお本総合研究の成果の詳細は、平成8年3月に『大英帝国の教育と社会』の標題で名古屋大学出版会から刊行される予定である。
|