研究課題/領域番号 |
05301057
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 昭和女子大学 (1994-1995) 東京大学 (1993) |
研究代表者 |
池上 嘉彦 昭和女子大学, 文学部, 教授 (90012327)
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研究分担者 |
米山 三明 成蹊大学, 文学部, 教授 (60054392)
唐須 教光 慶応大学, 文学部, 教授 (50102017)
山梨 正明 京都大学, 人間科学部, 教授 (80107086)
山中 桂一 東京大学, 教養学部, 教授 (20056055)
河上 誓作 (河上 誓一) 大阪大学, 文学部, 教授 (20038467)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カテゴリー / プロトタイプ / 文法化 / 類型論 / スキーマ / メタファ / 移動動詞 / 行為動詞 / 認知 / 格 / 運動 / 行為 / 比喩 / 認知言語学 / 認知意味論 / 意味論 / 意味 / 恣意性 / 有契性 / 語用論 |
研究概要 |
課題の第一である言語的カテゴリーの〈プロトタイプ〉的記述に関しては、とりわけ〈動作主〉の概念、〈格〉表示表現の意味について集中的な研究がなされた.いずれの場合も、まずブロトティピカルと目される意味合いを確認し、その上で、そこに含まれる意味特徴のあるものが欠落するか、あるいは、ある意味特徴が別の意味特徴によって置換されるか、または、全体的なスキーマが別の意味分野に写像されるというメタファ的な過程を経て隣接概念へと移行して行くという形での把握が言語直観にも合う記述を提供してくれることが確認された。課題の第二である言語における形式と意味の有意義な関連性の確認に関しては、現在の〈類像性〉をめぐっての議論を先取りするような研究が既に構造的意味論の時期の〈意味場〉に関連する議論に認められることが指摘された他、とりわけ〈文法化〉の現象が多くの場合〈メタファ化〉の過程を媒介としつつ、例えば〈比較表現〉から〈条件表現〉への移行など、さまざまな分野で記述、議論された。とりわけ重要と思われるのは、本来〈モノ〉相当の表現が用いられるところに〈コト〉相当の表現が用いられ、その結果、もともとの格表示機能表現が接続詞的な機能へと転化するという過程で、これは日本語における格助詞と接続詞(そして多分終助詞)といったカテゴリー間の密接な関係を想定することを可能にする。課題の第三の類型論的な考察に関しては、とりわけ、移動動詞をめぐって興味深い指摘がなされた.〈主観的移動〉を表わす用法への転用の可能性に関して、例えば単語と日本語の間で制約の程度に差があるという指摘の他、行為動詞とつき合わせてみた場合、日本語の行為動詞が移動動詞のスキーマで捉えられる傾向があるのに対し、英語では逆に移動動詞に行為動詞のスキーマが被せられて捉え直されるという対照的な傾向が認められることが確認された。
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