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現代日本社会における契約機能の変化と契約法理論の再構成

研究課題

研究課題/領域番号 05301063
研究種目

総合研究(A)

配分区分補助金
研究分野 基礎法学
研究機関京都大学

研究代表者

棚瀬 孝雄  京都大学, 法学部, 教授 (80022424)

研究分担者 河上 正二 (川上 正二)  東北大学, 法学部, 教授 (70152923)
樫村 志郎  神戸大学, 法学部, 教授 (40114433)
樋口 範雄  東京大学, 法学部, 教授 (30009857)
松浦 好治  大阪大学, 法学部, 教授 (40104830)
加藤 雅信  名古屋大学, 法学部, 教授 (70009819)
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
キーワード契約 / 法理論 / 合意
研究概要

3年間にわたって10名の研究者が討論を重ね、また手分けして実証研究を行ってきた結果、次のような成果が得られた。
1)契約の核をなす「合意」は、実際には、当初から明確な実体として存在するのではなく、当事者、そして裁判官が具体的な紛争を処理していく課程で、合意を定義し、確認していくことが行われていること、そしてここに、権力の排除、知識の充実、そして境界の維持という理念的な合意を求める普遍的な関心が働いていることが、実証的、分析的に描出された。
2)今日の契約法ではさまざまな形で当事者の合意をしたものを第三者的に評価して、その適正化を図る関与が行われるが、そこには、契約自由の行き過ぎを否定して契約正義を外から持ち込むばかりではない。合意を助け、契約自由をむしろ貫徹していくための介入、さらには一つの協働プロジェクトとしての契約を支える関係性の持ち込みも行われていることが明らかにされた。
3)日本の契約法では、アメリカと比較した場合、「合意」に社会常識の規制を通して「コンセンサス」の意味がしばしば読み込まれているが、これはそのまま不法行為法との境界の喪失という現象となって現れていることも指摘された。
以上の他にも、合意の中に、明確な合意だけでなく、小さな合意、準合意と呼べるようなものがあって、それらが契約紛争の処理に大きな作用を果たしていること、また、当事者のそのつどの関心、状況的要因の布量いかんによって、合意は脇へのけられたり、その意味が便宜的に定義されたりすることも実証研究を通じて明きらかになった。

報告書

(4件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (27件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (27件)

  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "語りとしての法援用" 民商法雑誌. 111 4.5号. 677-706 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "語りとしての法援用" 民商法雑誌. 111 6号. 1-38 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "合意と関係形成" 法学論叢. 138 1.2.3号. 105-140 (1996)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山本敬三: "公序良俗論の再構成" 奥田昌道先生還暦記念. 下巻. (1995)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山本敬三: "民法における動的システム論の検討" 法学論叢. 138 1.2.3号. 208-298 (1996)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松浦好治: "ファンタスマ理論と法的比喩論" 法の理論. 14. 189-204 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 樋口範雄: "アメリカ契約法" 東大出版会, 346 (1995)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takao Tanase: "Law Mobilization as Narrative" Minshoho Zasshi. 111. 677-706,865-903 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takao Tanase: "Agreement and Relation Formation" Hogaku Ronso. 138. 105-140 (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Keizo Yamamoto: "Re-structuring the Public-morality Doctrine in Festschrift to Masamich Okuda" (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Keizo Yamamoto: "Dynamic System Theory in the Civil Code" Hogaku Ronso. 138. 208-298 (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshiharu matsuura: "Fantasma Theory and Legal Metaphor Ho no Riron" 14. 189-204 (1994)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Norio Higuchi: Contract Law in America. Tokyo University Press, 346 (1995)

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    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "弁護士倫理の言説分析" 法律時報. 681号〜4号(各8〜10頁). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "合意と関係形成" 法学論叢. 138(1、2、3号). 105-140 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 山本敬三: "民法における動的システム論の検討" 法学論叢. 138(1、2、3号). 208-298 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 和田仁孝: "ポスト経験主義法社会学の方向性" 姫路法学. 18. 83-181 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 樋口範雄: "アメリカ契約法" 東大出版会, 346 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "語りとしての法援用" 民商法雑誌. 111. 4・5号,677-706, 6号,38 (1995)

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      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 山本敬三: "公序良俗の再構成" 奥田昌道先生還暦記念. 下巻(近刊).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 河上正二: "事実的契約関係論を機縁に" 法学教室. 164. 46-55 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 松浦好治: "ファンタスマ理論と法的比喩論" 法の理論. 14. 189-204 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 山本敬三: "現代社会におけるリベラリズムと私的自治(一)〜(二)見" 法学論叢. 133巻4.5号. 1-20, 1-29 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 棚瀬孝雄: "関係形成型調停のモデル" 法学論叢. 134巻3.4号. 55-96 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 松浦好治: "法的思考における普遍主義と状況重視主義" 山下正男編『法的思考の研究』京都大学人文科学研究所. 137-162 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 山本顕治: "アレクシーの法的論証理論について" 山下正男編『法的思考の研究』京都大学人文科学研究所. 515-546 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 樋口範雄: "アメリカ契約法" 弘文堂, 346 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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