研究課題/領域番号 |
05302035
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
菅野 卓雄 東洋大学, 工学部, 教授 (50010707)
|
研究分担者 |
谷口 研二 大阪大学, 工学部, 助教授 (20192180)
佐々木 昭夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025900)
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
村山 洋一 東洋大学, 工学部, 教授 (40057956)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | クーロン・ブロッケード / ナノ・パワー・エレクトロニクス / 超高速エレクトロニクス / 単電子トランジスタ / 単電子エレクトロニクス / トンネル現象 / シングル・エレクトロニクス |
研究概要 |
平成5年度、6年度を通じ合計8回の研究会を開催し、クーロンブロッケードを利用した電子デバイス、及びそれを用いて構成させる集積回路の特性、特に消費電力と信号伝搬時間について検討を行った。その結果、従来提案されていた単電子トランジスタの構造では室温動作を可能にし、且つファン・アウトを大きくとるために利得を大きくとろうとすると、電極寸法が極めて小さくなって実現不可能な寸法になるが、2重障壁構造を有する単電子トランジスタにすることにより、この問題点が解決できる見通しのあることが判明した。またこの構造を用いることにより、cotunellingの確率も小さくなり、単電子トランジスタの動作を信頼性の高いものとすることも期待されることが明らかになった。 尚利得の問題は信号の担体がそれ自身で信号の伝達経路も決定していく、現在の論理回路の構成に問題があることに鑑み、単電子信号を信号のメッセンジャとする2分決定グラフのデバイス化により、この問題が解決できると共に、単電子回路としてユニークな構成をとり得ることが判明した。 これらの結果を総合することにより、電子のトンネル現象のクーロンブロッケードを利用したナノ・パワー・エレクトロニクスについて、具体的な新しい展望をもつことが可能になった。 また、トンネル現象の動的特性について、誘起電荷も考えることにより、金属電極で狭まれたトンネル障壁と半導体電極で狭まれたトンネル障壁とで異なった特性が生ずることも明らかになり、また、量子ドットを含む系に磁界を加えることにより、Magneto-Coulomb振動も観測できることも明らかになった。 これらの物理的な基礎研究は単電子トランジスタの動的特性の理解に役立つと考えられる。
|