研究分担者 |
杉井 俊夫 中部大学, 工学部, 講師 (90196709)
柳田 三徳 日本工営(株), 大阪支店・技術2部, 係長
橋本 正 (財)大阪土質試験所, 副所長
神谷 浩二 岐阜大学, 工学部, 助手 (50252119)
佐藤 健 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80135326)
香田 明彦 帝国建設コンサルタント(株), 地質調査部, 課長
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研究概要 |
地下水環境を表現する端的な因子は,地下水位,地下水流量及び水質の3ヶである.これらを制約する因子が帯水層定数や帯水層構造,及び近隣の河川との涵養関係である.一方,大規模な地下工事による地下水環境へのインパクトも懸念されている.分担した各ケーススタディで得られた知見を箇条書きすると,次のようである. (1)地下水流量は計測しにくいが,総合的調査解析で予測される量より1オーダー大きく計測されることがある(丘陵地での調査結果). (2)流量は帯水層定数により支配されるが,そのデータ把握のための揚水試験資料の収集・再整理・集積は,それら分布特性究明に重要である. (3)濃尾平野の地下水水質の形成機構を分析した結果では,水質は河川からの距離,涵養水源の水質,帯水層の土質や透水性に左右される. (4)河川から地下水への涵養機構に関する研究は少ないが,(1)タンクモデルによる評価では,揖斐川流域では河川流量の約1割が,また年間降水量の1/10〜1/15が,それぞれ地下水涵養に効いていること,(2)都市域の小河川からの涵養は,数値シミュレーションにより河川底部の透水性を約1/3に評価する量であること,等が判明した. (5)大規模工事に対して地下水保全工を実施した丘陵地の水位変動データを調和解析や「単純モデルによる降雨影響除去手法」により分析して地下水環境の変化を判別できることが判った.
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