研究課題/領域番号 |
05302062
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
町田 洋 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087009)
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研究分担者 |
森脇 広 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (70200459)
福岡 孝昭 学習院大学, 理学部, 助手 (90080473)
鈴木 毅彦 東京都立大学, 理学部, 助手 (60240941)
岡 秀一 東京都立大学, 理学部, 助手 (50106605)
三上 岳彦 東京都立大学, 理学部, 教授 (10114662)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1993年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 大規模噴火 / エアロゾル / テフラ / 地球環境 / アイスコア / 年輪 / 文明の盛衰 / 中心環境 |
研究概要 |
1)世界のテフラカタログについては、日本、ニュージーランド、北米、ヨーロッパ、アフリカ、東南アジア諸地域の総計100層余りの大規模テフラについて、岩石記載的特性、推定エアロゾル量、年代測定値、海洋同位体ステージ、分布、体積などのデータベースを作成した。それは、世界各地で採取されたテフラ粒子の同定、時代決定にきわめて有用であるばかりでなく、グローバルな第四紀の気候変動に果たす大噴火の役割を考察する上でも基礎資料となる。 2)とくに、酸素同位体比ステージ3/2と5a/4の移行には、寒冷化の傾向にあった時期に、次の大噴火が追い打ちをかけ、寒冷化を促進したとみられる。すなわち、3/2には、日本のATとKawakawa両テフラの噴火が、また5a/4にはスマトラToba噴火が関係する。 3)南極氷床H15コアについて、過去200年間の火山性シグナルを検出した。とくに1809年(おそらく南半球の大火山噴火)および1815年(タンボラ)噴火層凖を明らかにした。 4)日本海に面した複数の汽水湖の湖底堆積物について、テフラの同定、年縞状層理の枚数の測定(年代)、粒度、鉱物分布を行い、古環境編年を試みた。その結果、K-AhとU-OKi両火山灰の噴火年代がそれぞれ7324年と10738年と判定された。これらを基準に対馬暖流の日本海への流入とその影響などについて分析した。 5)北日本に白頭山苫小牧火山灰をもたらした白頭山の大噴火は、小川原湖の湖底堆積物の年層研究から、十和田a火山灰の噴火を915年とすると、923-924年の冬半年に起こったことがわかった。これに基づくと、926年の渤海国の衰退・滅亡は、国の中央部にある白頭山の大噴火の災害による疲弊が背景にあったとみなすことができる。 6)古文書の解読結果では、小氷期の気候のなかで1800-1825年の期間はとくに寒冷であり、その成因の一つとして噴火に注目すべきことがわかった。
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