研究分担者 |
芳本 忠 長崎大学, 薬学部, 教授 (60088870)
富岡 清 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50114575)
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
柴崎 正勝 東京大学, 薬学部, 教授 (30112767)
橋本 俊一 北海道大学, 薬学部, 教授 (80107391)
|
配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1995年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1993年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
研究概要 |
生理現象発現には何等かの化学物質が関与していることが次々に明らかにされてきたが,それにつれて現象発現機構を分子レベルで解明しようとする努力が払われるようになった。一方,最近は極めて微量な生理活性物質が生理活性を指標として追跡され,単離、構造決定されるようになった。このような天然由来の微量活性物質を用いて,生体内での情報の伝達機構を詳細に解析するためには,活性物質の充分な量の供給が不可欠である。しかし,実際は,活性物質の入手が困難な場合が多く,その量的供給が切実な問題となっている。本研究組織はその要求に応えるため,主として有機合成化学を専門とする研究者が集い,活性物質の量的供給を志向して基礎・応用的研究を行った。また,有機合成化学としての特技を発揮し,その生理活性物質の類縁体をも合成し生理活性発現機構の解明に資することを目的ともした。実際に本研究組織によって挙げられた成果の代表例を下に述べる。 クモ毒素はグルタミン酸による脳内の神経伝達を強力に阻害するので神経伝達を研究するための有用な化学種として位置付けられている。北海道大学の宮下、および長崎大学の入江、畑山はクモ毒素の量的供給を可能とする画期的方法を開発した。(長崎新聞、日刊工業新聞)また、京都大学の藤井等はエイズウイルス(HIV)の細胞侵入を阻害するペプチドの量的供給を達成した。(毎日新聞)東京工業大学の高橋は生理活性物質に含まれる糖鎖を簡便に合成する手法を開発した。本法は将来新しい医薬品の合成に取り入れられる可能性を秘めている。また、静岡大学の上村はタイラギから新規な毒素を単離、構造決定した。毒素は新しい医薬品の「たね」と成り得る。この他、班員はそれぞれ素晴らしい業績を挙げており、本研究組織が如何に活発に研究に邁進したかは班員の業績リストを見れば明らかである。
|