研究課題/領域番号 |
05304039
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 崇英 京都大学, 医学部, 教授 (90026865)
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研究分担者 |
青野 敏博 徳島大学, 医学部, 教授 (50028445)
友田 豊 名古屋大学, 医学部, 教授 (60023769)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
藤田 潤 京都大学, 医学部, 教授 (50173430)
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
1994年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1993年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 性ステロイド / サイトカイン / mRNA / 下垂体 / 卵巣 / 子宮内膜 / 胎盤 / 絨毛細胞 / 絨毛膜細胞 |
研究概要 |
中枢においては、アクチビンA(EDF)のゴナドトロピン分泌機構における意義をラットを用いて初代下垂体前葉細胞からのFSH分泌に対する影響で評価した。EDFにはプロゲステロン(P)及びテストステロン(T)によるFSH分泌促進効果をさらに促進する作用が認められ、またEDF以外にも、IGF-1がゴナドトロピン分泌影響(亢進)する事を見いだした。そしてヒト卵胞、胎盤におけるアクチビン遺伝子の存在も確認された。卵巣における性ステロイド産生能についての検討では、培養顆粒膜細胞からのLH刺激によるP産生が、IL-1,TNFα,IFNγ等で著明に抑制され、他方、黄体での検討でも、その機能が免疫細胞の影響を受けており、マクロファージが17β脱水素酵素活性を抑制することがその機能賦活にかかわり、黄体退縮に関連して各種サイトカイン遺伝子が変動し、クローニングでCSF,TGFβが同定された。子宮においてはIL-1,TNFαは培養内膜間質細胞の分化を抑制し、IFNγでは細胞増殖が抑制された。ヒト子宮内膜では内膜細胞自身が各種のサイトカインを分泌することが示され、培養細胞系でM-CSF,SCF,LIFやこれらのレセプターについて遺伝子レベルで検討したところ、Pで誘導される間質細胞の分化に伴ってM-CSF産生がPの用量依存性に増加した。SCFについてのmRNAでの検討では、増殖期、分泌期での変化は見られなかったが、そのレセプターc-kitは増殖期に強く発現していた。他方、着床との関連が示唆されているLIFは、分泌期子宮内膜で増加し、LIFレセプターは子宮内膜細胞にはなく、絨毛細胞に存在していた。正常妊娠胎盤絨毛細胞からのhCG産生にはM-CSF,LIF,IL-6などが深く関わることが明らかとなっており、これらのレセプターも証明され、IL-6について細胞内シグナル伝達を詳細の検討したところ、チロシンキナーゼ経路が活性化されhCG分泌が亢進することが判明した。新たなサイトカインとして報告されているHGFについても、その血中、羊水中濃度を測定して妊娠経過に伴う増加を見いだした。また絨毛癌細胞でもc-fmsが発現していることを見いだしその増殖やhCG産生との関連が注目されたが、M-CSF添加培養実験では有意な影響は見られなかったため悪性化に伴うレセプター構造以上が示唆された。さらに新たに発見された細胞増殖因子で、midkine(MK)の発現とその意義に関する基礎検討からは、レセプター結合部位が判明し、またMKをテラトカルチノーマ幹細胞P19に添加すると、神経細胞への分化が誘導されることが判明した。MKについてはさらにその受容体解析を試み、ウエスタンブロットにて11KDaの結合蛋白を見いだしたため、これをこれを精製し、アミノ酸解析したところヌクレオリンと判明した。
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