研究課題/領域番号 |
05304057
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
竹内 郁夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 所長 (90025239)
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研究分担者 |
岡本 浩二 京都大学, 理学部, 教授 (10029944)
田仲 可昌 筑波大学, 生物科学系, 教授 (80091908)
柳澤 嘉一郎 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015899)
前田 靖男 東北大学, 理学部, 教授 (50025417)
落合 廣 北海道大学, 理学部, 教授 (10002122)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1994年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1993年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 細胞分化 / 形態形成 / 細胞接着 / 遺伝子発現 / 細胞周期 / 細胞性粘菌 |
研究概要 |
きわめて単純な発生系を持つ細胞性粘菌を材料とし、形態形成と細胞分化の制御機構についての研究を行った。 形態形成の制御機構 細胞が局所的に走化性刺激を受けると、細胞運動に関連した一群のタンパク質の協同作用によりミオシンの構築が速やかに変化すること、この過程には細胞内カルシウムが関与することを見い出した。さらに、apoaequarin遺伝子の導入株を用いて細胞質内のカルシウムイオン濃度の測定に成功し、刺激により細胞質内カルシウムが増加すること、この増加は予定柄細胞の方が予定胞子細胞よりも大きいことを明らかにした。また、多細胞の集合体を形成するさい細胞接着に関与すると考えられるタンパク質(csA,gp64)を精製してその特徴ある構造を明らかにし、細胞接着における役割を検討した。一方、有性的細胞融合の分子機構を明らかにするため、細胞融合能を獲得した細胞で特異的に発現する遺伝子の単離も行った。またブラストシジンS耐性株を用いる挿入突然変異体の分離法も確立した。 細胞分化の制御機構 細胞周期上で増殖・分化の分岐点の直前にある細胞が飢餓状態に入ると、集合中心として機能したあと予定胞子細胞に分化するのに対し、分岐点直後の細胞は遅れて集合し予定柄細胞に分化することを明らかにした。また分岐点前後で特異的に発現する3種の遺伝子も単離した。さらにその時点で燐酸化レベルが著しく変動する4種のタンパク質も見い出した。一方、予定柄および予定胞子細胞にそれぞれ特異的な遺伝子や今回新たに発見された非翻訳性の遺伝子は、細胞から分泌される物質によって発現が誘導されることを見い出した。このうち予定胞子細胞を誘導する物質は、徹底的に精製し190Kdの糖タンパク質で、細胞分裂誘導活性ももつことを明らかにした。また細胞内のcGMPとイノシトール3燐酸は独立に変動することを見い出した。
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