研究課題/領域番号 |
05306013
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岩松 暉 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80018663)
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研究分担者 |
横田 修一朗 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (60211653)
地頭園 隆 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (50145455)
松本 譲 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (50041091)
下川 悦郎 鹿児島大学, 農学部, 教授 (60041670)
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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キーワード | 自然災害 / 洪水 / 土石流 / 斜面前壊 / ライフライン災害 / 異常気象 |
研究概要 |
1993年鹿児島地方では気象台の観測史上第1位の年間降雨があった。夏も異常気象であったが、その原因は第一義的には1991年に噴火したフィリピンのピナツボ火山起源のエアロゾルの増加にあることが明らかにされた。また、鹿児島では日雨量300mm程度の豪雨は175年に1回の確率で出現する可能性が高いことも明らかになった。 入梅以来こうした豪雨が長期間続き地面がほぼ飽和状態に達していて保水能力が著しく低下していたところへ集中豪雨があったため、水害や土砂災害が発生したのである。鹿児島市内を流れる甲突川の水害は、ピーク時流量が580〜700m^3/sと見積もられた。現河川の流下能力は300m^3/sしかなく、抜本的な対策が望まれる。 鹿児島の土砂災害というとシラス災害が著名であるが、今回のような未曾有の豪雨では地質の如何にかかわらず崩壊が発生した。すなわち、四万十層群・花崗岩・火山岩・溶結凝灰岩・第四紀堆積岩などである。こうしたシラス以外の地質のところでも防災対策を軽視してはいけないことを教えている。 県都で大災害があったことから、道路・鉄道網の損壊、断水・停電・電話の不通といったライフラインの災害も目立った。都市化と災害の関係についても研究が行われた。行政機関の対応や市民の反応、自主防災組織の機能などソフト面での実態調査も行い、今後防災行政に生かすべき教訓も得た。 人的被害も死者121名に達するなど重大であったが、経済的損失もまた甚大であった。鹿児島県災害対策本部の集計でもその被害額統計は3,000億円を突破している。
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