研究分担者 |
福山 秀敏 東京大学, 理学部, 教授 (10004441)
石黒 武彦 京都大学, 理学部, 教授 (50202982)
斎藤 軍治 京都大学, 理学部, 教授 (40132724)
永長 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (60164406)
小林 速男 東邦大学, 理学部, 教授 (60057635)
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研究概要 |
この研究の目的は,以下のような趣旨をもつ「重点領域研究」を推進することを念頭において,研究成果の交換・討論および研究の組織化のための準備調査をおこない,当該分野の格段の発展を目指すことである。 本研究分野の目標は,人工的設計可能な新物質の中に未知の物性現象を発見し,新たな物性科学を作り上げることである。具体的には,有機結晶,金属錯体,分子集合膜など,原子よりも構造的に複雑な分子をベースとする,分子性の新物質及び新構造物質を作り出し,そこにおいて電気伝導を担う電子系の構造とダイナミクスを解明することを目指す。新物質の登場が物性科学と科学技術の新しい世界を切り開いてきたが,新物質開拓において有機分子を中心とする分子設計は強力な武器である。本研究では,構造設計を新たな武器として,物理と化学の密接な連携のもとに上の目標を達成する。 このような重点領域研究の準備のために,研究集会を12月10日(金),11日(土)の2日間にわたって,東京大学工学部において開催した。来年度からの重点領域研究「分子性物質における新しい電子相」での研究計画を全員がそれぞれ紹介し,個々の計画および計画班全体としての方向性について討論をおこなった。また,隣接分野や外国での状況を報告しあって,この分野の現状と問題点および進むべき方向を探った。このほかに数名規模での連絡会議を,12月末〜2月にかけて3回開き,この分野の研究の組織化と重点領域研究に発展させるための企画・調整を行った。また,平成6年8月に国際シンポジウムを開催する計画を立て,そのプログラムの大略と招待すべき内外の研究者を決めた。
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