研究課題/領域番号 |
05353017
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楠本 正一 大阪大学, 理学部, 教授 (30028253)
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研究分担者 |
小倉 協三 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006303)
三川 潮 東京大学, 薬学部, 教授 (60012613)
橘 和夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70142081)
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
山田 静之 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022540)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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キーワード | 天然有機化合物 / 生物活性 / 超分子 / 精密構造認識 |
研究概要 |
天然有機化合物は炭素をはじめとする、ごく限られた種類の元素から構成されているにもかかわらず、その構造は極めて多様であり、それを反映して多彩な生物機能を有している。本研究は生物活性天然有機化合物がその機能を発揮するに当たって、生体側の成分によって極めて精密にその構造を認識される過程を超分子として捉えるものである。そして、その超分子の形成原理と、それに基づく生物機能の発現機構を有機化学の立場から解明し、さらにその制御へと発展させることをめざした新しい超分子化学の基礎を築くために、従来からこの分野で最も活発な研究を行っている我が国の代表的な研究者が集まって調査研究を行った。その結果、超分子を形成する比較的低分子の新しい生物活性天然有機化合物の発見の可能性とその構造および合成に関する研究、核酸の関与する超分子の形成と機能発現の研究、従来は余り厳密な研究がおこなわれていなかった脂質の機能発現に関与する超分子の形成とその物理的ならびに化学的研究、細胞表層などに存在する生物活性糖質の構造ならびに合成研究とそれに基づく超分子の形成と機能に関する研究、生合成過程における酵素蛋白質の役割とレセプターによる分子の認識過程研究などの多彩な方向と分野において、多くの成果があげられつつあることが明かになった。また同時に、まだ萌芽的ではあるが、近い将来に大きく発展する可能性のある研究も多数見られた。現在は比較的個別に行われているそれらの研究を、超分子と言う概念で見直し、対象化合物のタイプや研究手法によって相互に情報を交換するとともに、互いに密接に協力することによって、我が国のこの分野の研究を格段に進めることができることが明かになった。
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