研究概要 |
本研究は,熱画像診断法が臨床生理検査の一技法として確立されたのに伴い,その取扱法・撮影法・診断法に関する統一的基準を作りあげるための調査研究を行なうことにある.既に,平成3年度以来,この研究に関して,日本サーモロジー学会の内部に基準の調査検討のための委員会ができあがり,平成4年度には,取扱と撮影の基準の検討が行なわれ,「生体温熱画像撮影及び診断のガイドライン」が作られた.それを踏まえて,本年度は臨床各分野の熱画像診断の専門家により,学会内における過去の基礎及び臨床における熱画像診断手法に関連した研究報告の集大成が行なわれた.その結果8分野(1:標準化・診断基準,2:東洋医学,3:循環障害・糖尿病,4:整形外科,5:装置・その他,6:負荷・刺激,7:乳房・皮膚・炎症,8:神経系・生理)で,将来検査基準となるべき重要な論文報告の抜粋が行なわれ,これに基づいて資料集が作られた.本研究班では,この資料集が,1980年以来の学会の機関誌「Biomedical Thermology」に基づいており,この学会誌は世界の熱画像診断の重要な領域を殆ど網羅した論文が含まれているため,基準制定のための重要な一次資料となるとの結論に達し,この中からさらに厳選した基準論文を抽出して,診断のガイドラインとすることが決定された.各専門領域の委員は,この資料集より,レビュー論文を作成し,海外及び外部学会の一次資料を付加え,さらに高度の診断を行なうための課題領域を探索することも決定され,それが次年度に申請されている総合研究Aでの宿題研究となることが決められた.
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