配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
脊椎動物は重力空間で行動するという意味では他のいかなる生物とも変るところは無いが,ヒトを始めとする2次元空間で生活する生物とは自ずから異なった行動の制御系を有している.3次元的空間内での行動的自由度を所有しているということは即ちそれだけ多様な行動の制御機構を持っている可能性があり,そのこと故にその種に特有の行動様式をとることになる.本来ヒトが低重力環境にさらされた時に受ける様々な影響を異なった種を用いて,その行動特性の分析をとおして明らかにしようとする試みであるが,とりわけ3次元行動生物による視覚入力による行動統御の分析は,ヒトの低重力空間における3次元行動の分析に寄与することが大であろう.本研究題目では,このような3次元行動生物の行動制御機構の違いを前提にして以下のことを検討した.平成5年度では,1)生得的行動特性を長期成育環境条件の操作によって特異な個体を育成しモデル化する試みを行った.2)そのような個体に対して視覚的変換を施し3次元的行動特性の順応過程を検討する試みを行った.3)短期的且つ一時的低重力環境下にさらした時の行動を観察した.4)長期的且つ一時的低重力環境下にさらした時の行動を観察することなどを行った.ヒトのプリズム順応の研究では古賀が長い研究歴を持っている.一方後者のヒトを被験者として用いる視野変換実験では,主研究者が主に携わってきた研究領域であり,長い研究の歴史と経験を有しており,その研究の成果は多くの研究誌に発表されてきた.また,この研究経過のなかで多くの実験にかかわる光学的,工学的,ノウハウが蓄積されており,特にコンピュータによる画像解析では自動化が進んでおり本研究への応用が期待されている.最終年度である本年においては,これらの資産を全て投入して実験をおこない,これまでの実際の宇宙実験で得られたデータとの比較検討を行った.
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