研究課題/領域番号 |
05401016
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
前田 彰一 千葉大学, 文学部, 教授 (70023596)
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研究分担者 |
西村 靖敬 千葉大学, 文学部, 助教授 (00156118)
内間 直仁 千葉大学, 文学部, 教授 (90009704)
加藤 定秀 千葉大学, 文学部, 教授 (80008953)
水之江 有一 千葉大学, 文学部, 教授 (90009598)
倉智 恒夫 千葉大学, 文学部, 教授 (20062614)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 多文化主義 / 多言語国家 / 異文化接触 / コミュニケーション理論 / 多文化社会 |
研究概要 |
世界の国際化、多元化が進展する中で、とりわけ多言語国家、多文化社会の抱える問題は、政治・経済・社会のさまざまな場面にまで影響を及ぼしている。本研究において、われわれは地域住民のアイデンティティに最も密接に関わる言語文化の問題に焦点を絞り、調査・研究を行なった。多言語・多文化国家のモデルとしてわれわれが取り上げたベルギーは、統合の時代を抑えたヨーロッパにおいて、典型的な二言語・二文化接触社会であるばかりでなく、EU本部の所在地であることによって国際的にも言語・文化接触の日常的な地域となっている。現地の研究者の協力のもとに、社会言語学的なアンケートによるベルギー人の意識調査を行ない、ベルギーの日常生活における言語・異文化接触とアイデンティティの実態を観察・分析することができた。また、本研究の一環としてカナダ研究をテーマとするプロジェクトが計画され、カナダ・ラヴァル大学の研究チームとの協力により、カナダにおける多文化主義の実態についての調査・研究がなされた。こうした共同研究は、グローヴァルで、有効な多言語・異文化接触の理論モデルを構築するというわれわれの課題にとって、たいへん意味深い成果をもたらしてくれた。EUも、一つの多文化主義による統合の動きとして見ることができるが、EUのこれまでの歴史的な推移と今後の動向を注目することによって、今日における多文化主義的な連邦国家の存在意義を検討することができたもの大きな成果の一つである。さらに二度にわたる沖縄での現地調査を通じて、琉球文化の実態に触れるとともに沖縄方言を中心とする言語調査を行なうことができたが、これはいわば国際比較という視点から日本における多言語・異文化接触の問題を考察する試みであった。本研究によって得られた成果は、さまざまの国際問題の渦中に置かれた今後の日本の行く末を考える上で、有益な示唆を与えてくれるであろう。
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