研究課題/領域番号 |
05401022
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
北川 泉 島根大学, 農学部, 教授 (60032546)
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研究分担者 |
渡部 晴基 島根大学, 農学部, 助教授 (10032559)
仙田 久仁男 島根大学, 農学部, 教授 (90032614)
浜田 年騏 島根大学, 農学部, 教授 (10032575)
井口 隆史 島根大学, 農学部, 教授 (70032604)
平塚 貴彦 島根大学, 農学部, 教授 (90032606)
猪股 趣 島根大学, 農学部, 助教授 (70032555)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 中山間地域 / 担い手 / 地域産業振興 / 環境保全 / 資源利用 / 生活環境 / 内発的発展 / 交流 / 資源管理 / 農林業経営 / 都市・農村の連携 / 兼業農家 / 農林産物流通 / 経済波及効果 |
研究概要 |
研究の3本柱として、「生産」・「生活」・「環境」を設定し、各課題の分担者は相互乗り入れの形で研究を進めた。対象は、主に中国地方で、中山間地域の現状と問題点について、各専門分野から分析・検討を行ってきたが、これは、単なる実態分析にとどまらず、政策課題を明らかにし、具体的な政策提言に迫ろうとしたものである。本研究の要約すると、次のごとくである。 (1)[農林業生産の担い手の変化]農業、畜産、林業ともに、従来のような個別経営としては存続が困難となり、何らかの形で法人化ないし公的機関による組織化が進展してきており、JAによる組織化や第3セクター等による新たな組織化が重要になってきている。これらの分析の中から、新しい経営感覚を持った農家、林家が厳しい状況を逆手に伸びつつあるといえる。 (2)[地域資源利用と内発的発展]外来資本による大規模開発や外来型の開発方式の反省に立って、内発的発展という地域の主体的取り組みを重視し、内部循環型の地域開発を目指す新しい開発方式について検証した結果、農林畜水産等の地域資源を正確に認識した、様々なレベルのグループが、消費者や都市住民等との連携の中で小規模ながら着実な展開をしていることが分かった。 (3)[地域活動と環境維持・保全の役割]農林業生産は、食料、木材、繊維、医薬品など、人間の衣食住に必要な物質を生産するだけでなく、豊かで美しい自然景観、伝統的芸術や文化の継承、さらに、われわれの健康な生活や生命の維持にとって欠くことのできない水資源の涵養、国土保全などの環境機能を持っていることが認識されてきた。これを上流と下流、農山村と都市という図式で据えなおすと、相互依存関係が明確になった。 (4)[総合的視点の政策の必要性]生産・生活・環境全般にわたるソフト・ハードの総合的視点で中山間地域をみると、単一産業によって成り立っているものでもなく、就業や所得構造も多様で、価値観も多様な混住社会であり、地域における人々の活動も定住人口だけでなく、多くの都市住民達との交流によって維持されている地域も少なくないのである。従って、中山間地域の国土計画上の位置づけを明確にし、農林業中心の従来の政策を、より多様なものにする必要がある。
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