研究課題/領域番号 |
05402005
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松木 征史 (松木 柾史) 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50037941)
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研究分担者 |
政池 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40022587)
山本 克治 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90191395)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
39,500千円 (直接経費: 39,500千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 35,400千円 (直接経費: 35,400千円)
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キーワード | ダ-クマタ- / アクシオン / リドベルグ原子 / ダークマター / 宇宙由来素粒子 / 空洞量子電気力学 |
研究概要 |
本研究の目的は、宇宙の大部分を占めていると考えられる暗黒物質、いわゆるダ-クマタ-有力候補である素粒子アクシオンを、リドベルグ原子を用いて極めて感度良く検出する超高感度検出装置を開発することである。 宇宙には、いわゆるダ-クマタ-(暗黒物質)が存在していることが分かっているが、現在のところその正体は不明であり、宇宙物理、素粒子物理に関連する最重要な研究課題の一つである。ダ-クマタ-の有力候補であるアクシオンは、本来、強い相互作用ではCP対称性(時間反転対称性)がほぼ成り立っていることを説明するのにその存在を要請された粒子である。 我々は、アクシオンを検出する方法として、強磁場下におかれた共振空胴中でアクシオンが転換されて発生したマイクロ波光子をリドベルグ原子に吸収させ、選択的フィールドイオン化の方法でイオン化して検出する、という方法を提案した。この案に従い、共振空胴中でのアクシオンとその転換光子、およびリドベルグ原子間の相互作用を量子論的に取扱い、約10mKまで空胴を冷却すれば、良好な信号対雑音(S/N)比で、アクシオン検索が可能なことを示した。また、テスト実験装置を建設して、方法の基礎的研究を十分におこなった。これらの基礎実験研究に基づき、希釈冷凍機により共振空胴を10mKまで冷却し、アクシオン転換光子を検出する実験装置を製作した。共振空胴は2.4GHzを中心とする周波数に調整でき、約20%の質量範囲を探索出来る。リドベルグ原子は、半導体レーザーによる3段励起で生成される。装置は完成後十分なテストをおこない、実際に探索をおこなう段階にある。開発されたアクシオン検出装置は、現在世界中で最も感度が優れたものであり、今後アクシオンの広い質量範囲にわたる探索研究に威力を発揮することが世界的に期待されている。
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