研究課題/領域番号 |
05402011
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 康夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (00013483)
|
研究分担者 |
伊藤 晋一 高エネルギー物理学研究所, 助手 (00221771)
武田 全康 東北大学大学院, 理学研究科, 助手 (70222099)
廣田 和馬 東北大学大学院, 理学研究科, 助手 (90272012)
山田 和芳 東北大学大学院, 理学研究科, 助教授 (70133923)
中島 健次 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員
細谷 正一 山梨大学, 工学部, 助教授 (30124621)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
30,500千円 (直接経費: 30,500千円)
1995年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1994年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1993年度: 19,200千円 (直接経費: 19,200千円)
|
キーワード | 偏極中性子 / 微小磁気モーメント / 磁気散乱 / パルス中性子 / スーパーミラー / 偏極中性子導管 / 磁気鏡中性子導管偏極子(PNG) / 中性子分光装置 / 磁気励起 / 磁束格子 / 高温超伝導 / YBCO / Cr / スピンフリッパー / 高エ研中性子散乱施設 / JRR3M原子炉 / 偏極度解析 |
研究概要 |
現在、これまでには考えられなかったほどの微小なスピンが、物質中で安定に存在することが知られている。このような微小スピンの起源を探るには、感度が良く高精度で測定を行うことができる偏極中性子散乱実験が不可欠である。このような微小スピンを観測するためには、中性子の強度を上げることと、偏極中性子実験を行うために微妙な外部磁場の制御が、絶対条件であるので、高エネルギー物理学研究所ブ-スター利用中性子散乱施設に設置した偏極中性子分光器(TOP)と、原研3号炉、6Gに設置されたTOPAN(東北大学中性子分光装置)の偏極中性子オプションの増強を行った。TOPに対しては、高性能Fe/Siスーパーミラーを使用した偏極中性子導管を新たに導入し、長波長領域でも95%以上の偏極効率維持しながら、試料位置での偏極中性子強度を約2倍に増強することができた。これを使って共同利用実験を開始し、Fe/CeやCo/Cu人工格子の偏極中性子反射実験、金属微粒子の界面磁性を調べるための小角散乱実験、スピングラスの磁区形成を観測するための透過中性子偏極度解析実験等を行った。一方、TOPAN分光器に対しては、試料まわりの磁場を精密に制御するためのソフトウエアを開発し、従来の分光器制御ソフトに組み込んで、TOPANでの偏極中性子オプションを完成させた。実際に測定を始めてみると、偏極アナライザーの性能に不満足な点があることがわかったので、現在、結晶に熱処理を施すことで、性能を向上させることを考えている。これを除けば、装置は順調に仕上がっており、Crの磁気励起の問題や、酸化物超伝導関連物質に関するスピンゆらぎに関する研究を行うことができた。特にCrに関しては、全く新しい知見を得ることができ、大きな成果をあげることができたので、今後も引き続き偏極中性子を使った研究を発展させていきたいと考えている。
|