研究課題/領域番号 |
05402012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153677)
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研究分担者 |
平井 宏 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30251325)
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
吉岡 大二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114713)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
25,600千円 (直接経費: 25,600千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1994年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | 量子ホール効果 / エッジ状態 / サイクロトロン発光 / エッジ電流 / エッジ状態の分散 / 量子ホール効果のブレイクダウン / エネルギー散逸 / サイクロトロン共鳴吸収 / 量子ホール効果のブレークダウン / 化学ポテンシャル・エッジ電流 / ホール電流 / 量子ホール効果状態 / 局在と非局在状態 / 強磁場下2次元電子系 / サイクロトロン共鳴 / エッジ・マグネトプラズマ共鳴 / 非局所性伝導 / エッジ励起状態 |
研究概要 |
1.エッジ状態の分散関係 GaAs/AlGaAs高易動度試料中のエッジ状態間の非平衡分布に伴う伝導現象を観測した。その磁場依存性と温度依存性および電流依存性の解析から、エッジ状態の分散が100mK以下の温度では圧縮性-非圧縮性領域による顕著な構造を持つが、温度上昇に伴ってなめらかになることを明らかにした。 2.エッジ状態とバルク状態 エッジの分極電荷まで取り入れた自己無撞着の電流分布の計算を初めて行い、化学ポテンシャルによるエッジ電流と静電ポテンシャルによるホール電流の比率を一般的な複数チャネルの場合を含めて明らかにした。輸送現象における電流分布の定義を一般的立場から検討し、輸送電流を外界に対する全電子の「応答電流」とする観点とフェルミ面上電子の確率の流れとしてとらえる「ファルミ面電流」の観点が可能であり、それぞれが実質的に異なった二つの電流分布を与えることを示した。又それら二つの典型例が量子ホール効果のバルク描像とエッジ描像であることを示した。 3.量子ホール効果状態におけるエネルギー散逸の機構と場所 (1)超高感度遠赤外分光検出器の開発 表記研究のためにGaAs/AlGaAsヘテロ構造中の量子ホール効果状態に用い、超高感度の遠赤外光検出器を作成した。高感度で知られるGc検出器に比べて千倍から1万倍の感度をもつ。 (2)量子ホール効果状態における電子系からのサイクロトロン発光 上記の超高感度の遠赤外検出器を用いて量子ホール状態にある二次元電子系への端子からの電子の注入に伴うサイクロトロン発光を初めて見出す事に成功した。さらに量子ホール素子が3000個程度、直列及び並列に並んだアレイ試料を作成し、サイクロトロン発光の発生に閾電流値が存在する事、その値が、ホール電圧V_<II>に直した時にcV_<II>=【planck's constant】ω_c/2に等しい事を見出した。この結果により、電流端子と二次元電子系との間の電子の出入りの機構を明確にする事ができた。 4. 量子ホール効果ブレークダウンの非局所性 様々な形状のホール・バ-試料について実験し、電流増大に伴う量子ホール効果のブレークダウン現象がブート・ストラップ式の電子加熱によって生じることを明らかにした。
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