研究課題/領域番号 |
05402013
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安岡 弘志 東京大学, 物性研究所, 教授 (50026027)
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研究分担者 |
林 昭彦 東京大学, 物性研究所, 助手 (10228562)
上田 寛 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20127054)
家 泰弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (30125984)
神戸 振作 東京大学, 物性研究所, 助手 (40224886)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
35,900千円 (直接経費: 35,900千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 27,200千円 (直接経費: 27,200千円)
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キーワード | 電子相関 / 低次元化合物 / 核磁気共鳴 / スピンギャップ / 異常金属相 / スピン電荷分離 / スピンパイエルス転移 / 酸化物高温超伝導体 / 低次元物質 / 酸化バナジウム / 不定比性 / ペロフスカイト構造 / 電荷密度波 / オーバードープ / 酸素不定比性 / 磁気相転移 / 構造相転移 |
研究概要 |
二次元伝導体である高温超伝導体について超伝導転移温度以上でみられる異常な金属相についてNMR実験よりキャリア濃度や温度に強く依存しCuスピンに局在した反強磁性的スピンゆらぎを明らかにした。特に低キャリア濃度でスピン励起に約150Kのエネルギーギャップが存在する。またNMR,NQRの比較により金属状態でのスピン・電荷分離が示唆された。層状構造をもつ二次元伝導性化合物K_3Cu_8S_6は温度減少とともに金属→CDW絶縁体→金属転移を示すが低温金属相はフェルミ面ではなくCDW状態をもつ異常な金属状態にある。層状化合物CuSでは電子相関はそれほど強くなく磁気励起はフェルミ液体の準粒子描像で理解される。一次元量子スピン系CuGeO_3についてはFZ法により単結晶を合成した。軌道帯磁率や超微細相互作用は斜方面体結晶場中のCu^<2+>単一イオンモデルで説明される。非銅系化合物としてはおもにバナジウム化合物をとりあげた。ペロフフカイトSrVO_3ではスピン格子緩和率(1/T_1)が高温でコリンハ則からずれる高温超伝導体YBCOのCu(1)サイトと似た異常な挙動を示す。CaVO_3でも同様の挙動がみられ、ペロフスカイト型伝導体に特徴的である。CaVO_3は酸素不定比性を示し4種類の相が表れる。電子相関はSrVO_3より強くまた酸素欠損量の増大とともに強まる。典型的モット・ハバ-ト系であるV_2O_3において圧力により安定化した金属相で高温超伝導体とにたスピンギャップを観測した。スピネル構造をとるLiVO_4で3d遷移金属化合物でははじめてヘビーフェルミオン的挙動を観測した。梯子状化合物CaV_2O_5でSrCu_2O_3に似たスピンギャップ挙動を観測した。一方よく似た構造をとるNaV_2O_5は混合原子価化合物で磁性イオンV^<4+>は一次元鎖を形成し帯磁率は反強磁性一次元ハイゼンベルクモデルによく従う。また現在最高の転移温度34Kをもつスピンパイエルス化合物であることも見いだした。
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