研究課題/領域番号 |
05403007
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小田 雅司 大阪大学, 理学部, 教授 (60004438)
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研究分担者 |
川瀬 毅 大阪大学, 理学部, 助手 (10201443)
岡田 恵次 (岡田 惠次) 大阪大学, 理学部, 助教授 (50152301)
蔵田 浩之 大阪大学, 理学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
35,400千円 (直接経費: 35,400千円)
1995年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1994年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1993年度: 25,400千円 (直接経費: 25,400千円)
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キーワード | 拡張π電子系 / 拡張トリメチレンメタン / 交差共役系オリゴマー / 多重項分子 / ポリアニオン・ポリカチオン / 機能性色素 / 電子物性 / フルベンオリゴマー / ポリアニオン / ポリカチオン / オリゴチエニルペンタフルベン / アニオンラジカル |
研究概要 |
著者らは従来より、主たる研究課題として、新規な共役化合物(π電子系化合物)の合成と物性に関する研究を行なってきた。π電子系化合物の研究や応用は既に広いが、π電子系化合物に期待される物性・機能はなお多大でる。しかし一方では、新しい展開が望まれる状況でもある。本研究では、π電子系化合物の化学の新展開を図る目的で主として以下の5項目の研究を興味ある成果が得られてきている。 1.既存の低分子量π電子系化合物に、新発想に基づく新展開を図る目的で、入手の容易なペンタフルベン類のアルカリ金属還元を研究し幾つかの新知見を得るともに項目3につながる結果を得た。 2.金属元素を含む新しいπ電子系(有機金属π電子系)の設計、合成を行ないその発展性を探る観点から、ホウ素やスズ元素を含む、光学活性な共役分子を初めて合成し、ラセミ化のエネルギー障壁や錯形成能を研究した。また、含ホウ素多重項分子の合成にも成功した。 3.π電子系オリゴマーなどなお未知の部分の多い中分子量(MW;500〜2000)のπ電子系(拡張π電子系)への展開を図り、オリゴペンタフルベン、オリゴヘプタフルベンなどの4量体までの合成を行い、それらの性質を明らかにした。また、芳香環で拡張したトリメチレンメタン類を初めて合成し、興味ある物性と発展性を明らかにした。 4.拡張π電子系合成のための応用性の広い合成方法の開発を目指して、主に、ビルディングブロック開発に有用な選択的リチオ化反応を検討し、種々の重要な成果が得られてきている。 5.拡張π電子系は、可視部に吸収をもち、ラジカル、カチオン、アニオン種の安定化も期待されるので、機能性色素や有機磁性体を目指す研究も行ない、近赤外部に強い吸収を持つ分子や複素環をスピン源とする複数の新規な多重項分子の創出に成功し、さらに研究を継続している。 これらの成果の一部は既に発表したが、今後発表予定のものも多い。
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