研究課題/領域番号 |
05403012
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今栄 東洋子 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80101161)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
36,400千円 (直接経費: 36,400千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
1993年度: 19,700千円 (直接経費: 19,700千円)
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キーワード | ベシクル / フラクタル凝集 / 融合 / 電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / LB膜 / 分子間力測定装置 / 小角中性子散乱 / 分子間力直接測定装置 / 分子間力 / 走査プローブ顕微鏡 |
研究概要 |
生体内での細胞分裂と融合反応の機能を解明するためのモデル系として、ベシクル小胞体のフラクタル凝集と融合過程に寄与する二分子膜間力と成分分子間力を分子的な観点から追及することが本研究の目的である。まず、脂質の水溶液に脂肪酸やジカルボン酸型界面活性剤を混合した系に対するベシクルの安全性や微視的環境(流動性)が混合した両親媒性分子の親水基の違いおよび混合比の変化に依存することを明らかにした。次に、脂質、脂肪酸、それらに関連する両親媒性分子が構築するベシクルの形態を微分干渉顕微鏡と電子顕微鏡によって直接観察した。ベシクル構造の定量的計測は光、小角中性子散乱によって行った。一連の研究から、水に分散した両親媒性分子の集合体に油成分、有機対イオン、異種両親媒性分子を加えることによって誘起されるベシクルの小粒子への構造変化とラメラへのベシクルの開裂を確認した。このことはベシクル膜特性が添加する分子の性質に依存して変化することを示唆している。粒子の凝集過程を解明するためのアプローチとして、C_<60>フラーレンのLangmuir-Blodgett (LB)膜に対する表面圧と溶液濃度の効果を原子間力顕微鏡(AFM)観察によって調べたところ、フラーレン分子が合一してできた“結晶島"がフラクタル凝集する過程が確認された。この結果は分子間および粒子間引力と粒子間近距離斥力の存在を示唆した。ベシクルの機能性はベシクルの構成単位である二分子膜の安定性と深く関係する。そこで、種々の二分子膜形成能をもつ両親媒性分子をLB法によって二次元的に組織化し、分子の性質と分子配列との関係を検討した。二次元配列は親水基の種類、水和の程度、対イオンの種類に依存することがわかった。これらの結果は親水基部分の環境が引き起こす相互作用力の違いがベシクルの凝集と融合に影響することを示唆する。現在は二次元組織膜に対して表面間力の直接測定を行い、相互作用力の役割を定量的に検討することを試みている。
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