研究課題/領域番号 |
05403013
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斉藤 軍治 京都大学, 理学部, 教授 (40132724)
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研究分担者 |
大塚 晃弘 京都大学, 理学部, 教務職員 (90233171)
阪 敏郎 (阪 敏朗) 京都大学, 理学部, 助手 (10025372)
小島 憲道 東京大学, 教養学部, 教授 (60149656)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
44,100千円 (直接経費: 44,100千円)
1994年度: 20,100千円 (直接経費: 20,100千円)
1993年度: 24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
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キーワード | 有機超伝導体 / BEDT-TTF(ET) / C_<6O> / BEDO-TTF(BO) / 超伝導リエントラント / 逆同位体効果 / 次元性 / 金属的LB膜 / C_<60> / BEDT-TTF / 合成金属 / 超伝導体設計指針 / 弱強磁性 |
研究概要 |
高い臨界温度(Tc)を持つ新しい有機超伝導体の開発研究を目的とし、(1)新規ドナーの開発、(2)無機配位錯塩の錯体の開発、(3)水素結合系錯体の開発、(4)陰イオンの開発、(5)C_<6O>錯体の開発、(6)BEDO-TTF(BO)錯体の開発、(7)BEDT-TTE(ET)超伝導体の物性、構造、設計指針の研究、を行った。その幾つかの概要を記す。2.無機配位錯塩(オキザレート錯塩、ジチオオキザレート(dto)錯塩、M(tdas)_2、M(dddt)_2)を成分とする錯体の開発:TTF系ドナーとの新規錯体を9種作成し、電気伝導性、構造、磁性を研究した。(ET)_4〔Pd(dto)_2〕は金属である。BOのCu(dto)_2錯体は4Kまで金属状態を保つ。Pt(dddt)_2と有機陰イオンとの新規錯体を6種類開発した。ペンタシアノアリルとの錯体は130Kまで金属である。5.C_<6O>錯体の開発:30種以上のドナーを用い電荷移動錯体の作製を試し、8種の新規錯体を得た。OMTTF・C_<6O>・ベンゼン錯体でC_<6O>の2次元層状構造を観測した。この錯体へのKドープによりTc=16、12、8Kの多段階超伝導を観察した。6.BO錯体の開発:有機アクセプターを用いて34種の錯体を得た。25種が金属で、20K以下まで金属状態を保つのは17種である。二次処理を必要としない最初の金属的LB膜(BO・C_<1O>TCNQ・アラキン酸)を開発した。7.超伝導体の物性、構造、設計指針の研究:κ-(ET)_2Cu(CN)〔N(CN)_2〕の重水素置換でTcが11.2Kから12.3Kに上昇する。この異常な逆同位体効果を探るため、良質同位体単結晶育成と低温(155K)での構造解析を終了した。多数のET系超伝導体の陰イオン層にある空隙の構造パターンとドナー配列との間に1:1の対応を、また、伝導電子が主に存在する領域の大きさとTcの間に良い相関を見いだした。これは、Tcの高い新規超伝導体の設計指針となる。10K級κ型超伝導体の結晶構造、電子状態と次元性の相関を明確した。κ-(ET)_2Cu〔N(CN)_2〕Clで有機物として初めての超伝導リエントラント現象を見いだした。重水素体で強磁性(Tc=23K)の発生と反強磁性共鳴を観測した。α-(ET)_2MHg(SCN)_4(M=K,Rb)の超伝導を、極低温(300mK以下)で見いだした。κ型ET系超伝導体で、ESR線幅およびg-値の異常な異方的温度依存性を発見した。
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