配分額 *注記 |
35,100千円 (直接経費: 35,100千円)
1995年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1994年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1993年度: 25,300千円 (直接経費: 25,300千円)
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研究概要 |
本研究は,ビラジカル活性種の電子状態を高次制御することによって,新規でかつ実用的にも有用な[3+2]型付加環化反応を実現することを目的として行った.すなわち,これまで一重項と三重項状態が混合するために反応性の制御が困難とされてきたトリメチレンメタン(TMM)やビニルカルベン(VC)活性種の電子状態を,置換基を適当に選択することで一重項に制御し,全く新しい双極性一重項3炭素4π電子反応剤を作り出し,これをオレフィンなどの2π系受容体と反応させることで五員環化合物の新規合成法を開拓した.その具体的成果は次の3つの分野にまたがるものである. (1)置換TMM及びVCの反応制御:本研究では単環性化合物中最も歪みの大きいシクロプロペノンおよびメチレンシクロプロパンに注目し,シクロプロペノンからのVC活性種,メチレンシクロプロパンからのTMM活性種の生成の反応機構を種々の置換体をプローブとして速度論的研究を行うことで明らかにし,シクロペンタンおよびピロリジン環の新規合成法を開発した.(2)ビラジカル活性種によるフラーレンの官能基化:以上の研究の過程でTMMやVCがフラーレンと速やかに反応することを発見し,フラーレン類の生理活性の発見,フラーレンの単分子膜生成,放射性ラベル体フラーレンの新規合成に応用した.(3)超音波によるラジカル反応の制御:以上の研究で過程でビラジカル活性種発生の反応場として超音波照射下の均一液相系の有用性を検討し,ラジカル活性種の発生法として超音波照射が極めて有効なことを見いだした.
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