研究課題/領域番号 |
05403017
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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研究分担者 |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | 多成分酸化物 / 薄膜 / チタン酸ビスマス / Bi_4Ti_3O_<12> / 化学気相析出法 / エピタキシャル成長 / 強誘電体 |
研究概要 |
多成分酸化物には、BaTiO_3、PbTiO_3、Bi_4Ti_3O_<12>、LiNbO_3などに代表される多数の誘電、圧電、焦電、光学材料があり、その薄膜化と高機能化が要請されている。これらの多成分酸化物の中で、強誘電体であるチタン酸ビスマス(Bi_4Ti_3O_<12>)についてCVD(化学気相析出)法によって薄膜作製を行い、ナノ構造制御に必要なCVD条件を明らかにし、それらと誘電特性との関係を調べた。 新原料であるTiのDPM塩(Ti(OPr^i)_2(DPM)_2)とトリオルトトリルビスマス(Bi(o-Tol)_3)を用いることにより、従来の原料で問題となっていた難組成制御性を解消し、安定してBi_4Ti_3O_<12>薄膜を作製することに成功した。定比組成の膜はBi_4Ti_3O_<12>単相であり、定比組成よりBiを多くした膜の場合にはBi_2Ti_2O_7が、Tiを多くした膜の場合にはBi_<12>TiO_<20>が第2相として生成した。サファイアA,R,C面やMgO(100)などの各種単結晶基板上に膜を合成すると、その基板の種類や基板温度の変化に伴う膜の配向機構(エピタキシャルまたは優先成長)の変化により、Bi_4Ti_3O_<12>薄膜の結晶配向性や結晶子サイズのナノオーダーでの制御が可能であることが明らかとなった。走査型顕微鏡によって得られた膜の結晶粒径はナノオーダーサイズであった。さらに、基板温度の上昇によって結晶配向性が向上したことから、このナノオーダー結晶子が温度の上昇によって揃うことがわかった。 誘電特性の測定では、膜厚が小さい場合には、膜内の残留応力に起因して、残留分極が減少し抗電界が増大した。膜厚が大きくなるに従って残留分極はほぼ直線的に値が増加し、抗電界は減少していく傾向がみられた。残留分極、抗電界はそれぞれ、膜厚が約5μm以上で、単結晶に近い値になることが分かった。
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