配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1993年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
本研究は,低温から高温に至るまでの広い温度範囲で結晶弾性率を測定し,分子鎖の骨格構造と変形機構そして結晶内分子鎖の運動性に関する知見を得ることを目的とした。昨年度・一昨年度に引き続き,試作した低温域並びに恒温域での結晶弾性率を測定するためのセルを回転対陰極型のX線発生装置上に設置し,対象として以下の高分子について測定を行った。天然高分子;セルロース,セルローストリエステル,キチン,キトサン,液晶性高分子;ポリハイドロオキシベンゾイック酸/ポリエチレンテレフタラート共重合体,ポリエチレンナフタラート,ポリブチレンナフタラート,ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール),ポリ(フェニレンベンゾビスオキサゾール),芳香族ポリイミド;熱可塑性ポリイミド,ビフェニル型ポリイミド,カプトン型ポリイミド,トリフェニル型ポリイミド,剛直鎖ポリイミド,立体規則性高分子;シンジオタクチックポリプロピレン,エチレン-ビニルアルコール共重合体,アイソタクチックポリビニルアルコール。これらについて結晶弾性率およびその温度依存性を検討することができた。さらに,申請備品である動的粘弾性測定装置を用いて,弾性率の温度・周波数分散の情報を得ることができた。これにより,マクロな試料物性としての力学分散と結晶内分子鎖の運動性に関する知見の対応関係を検討することが可能となった。その結果,結晶弾性率の変化する温度域においてマクロな力学分散を観察し,新たに結晶分散に帰属される吸収を見出すことができ,当初計画した研究をほぼ満足する研究成果を挙げることができた。今後,測定温度範囲を広げると共に、各種高分子へと測定対象の拡張を図って行く予定である。
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